HOME>あしたのまち・くらしづくり活動賞>21年度の受賞団体概要
|
|
|
|
|
21年度の受賞団体概要
|
独自の発想により全国各地で活発に展開されている地域づくり・くらしづくり・ひとづくりの活動に取り組んでいる地域活動団体等を表彰する、平成21年度あしたのまち・くらしづくり活動賞(主催・財団法人あしたの日本を創る協会、NHK、読売新聞東京本社など)の各賞が決定しました。
活動レポート審査、現地審査を経て内閣総理大臣賞には村上町屋商人会・チーム黒塀プロジェクト・むらかみ町屋再生プロジェクト(新潟県)、内閣官房長官賞にはNPO法人くらし協同館なかよし(茨城県)、主催者賞には6団体が輝きました。また、振興奨励賞には33団体が選ばれました。今年度の応募総数は162編。
それぞれの活動レポートを収録した「あしたのまち・くらしづくり2009」(定価1000円、送料340円)発売中。
メール koho@ashita.or.jp |
|
■内閣総理大臣賞
城下町村上 市民パワーによる地域活性化への挑戦 |
新潟県 村上町屋商人会・チーム黒塀プロジェクト・むらかみ町屋再生プロジェクト |
@きっかけ
村上市は城下町で、古い町屋の残るまちであったが、ご多分に漏れず、活気が失われていた。11年前、商店街の振興策として市は大規模近代化計画を打ち出した。Uターンして家業を継いでいた吉川さん(観光カリスマ)は、道路を広げて成功した商店街がないことを聞き、反対運動を起こしたが、住民の反発を招く。模索の中で、町人町に残る町屋の価値を知り、この町屋を公開することでまちの活性化が出来ないかと地域の住民に働きかけたところ、多くの住民が共感してくれた。市民の意識が変わり始め、町屋を守り、活かす、行政に頼らない市民によるまちづくりが始まった。
A生活の場 町屋を公開する
平成10年、村上町屋商人会が結成され、生活の場である町屋内部を22軒が無料で公開、それまで観光客ゼロであった町中に多くの人が現れる。更なる行事として、平成12年からは春に「町屋の人形さま巡り」、第2弾として同13年からは秋に「町屋の屏風祭り」を開催、1ヶ月間に全国から何万人もの人が押し寄せてきた。自ら公開する町屋も出てくるなど、予想を超えた新たな動きも広がる。
B城下町の風情を黒塀で
来訪者が増えると、この城下町をさらに見せたいという気運が住民に生まれ、平成14年、そのころ増えていたブロック塀を城下町の小路の風情に合う黒塀に変えようと動きが起こり、チーム黒塀プロジェクトが誕生した。「黒塀1枚1000円運動」で7年間に1000名以上から寄付を集め、さらにブロック塀は壊さず、その上に、子供から高齢者までがボランティアで板を張り黒く塗るという方法で協力を呼びかけたところ、安善小路の多くの家が協力、7年間で350メートルが黒塀に変わることになる。平成17年には自主的に「景観に関する住民協定」を締結、その雰囲気は観光写真にも使われるまでになっている。
C町屋を市民の力で再生する
黒塀づくりが進むと、次にトタンやアーケードなどで見えなくなっていた町屋の外観を昔ながらに再生する取り組みが次の目標になった。平成16年、町屋再生プロジェクトを結成、再生にかかる経費を全国の人に呼びかけ基金を作った。その基金を使い、外観を昔ながらの格子、瓦などに変える町屋には、一軒にあたり80万円の補助金を出すという、全国に例を見ない市民による町屋の再生するプロジェクトが始まった。名をはせた村上大工が腕をふるい、現在14軒の町屋が再生された。
D市内の活性化をリードする市民のパワー
昔の姿を取り戻し、城下町らしさが広がっていくと、再生した町屋は商売も進むようになった。同時に、町内にも自分の住んでいる家、まちの価値に気づき、かつてあったもてなしの心、美しいまちにするという心を甦らせることになった。地域の再生は、行政だけに頼るのではなく、市民にも十分そのパワーを持っているということが評価された。 |
黒塀プロジェクトによる再生前と後 |
市民の力で町屋の外観も再生 |
|
■内閣官房長官賞
「ふれあい」「生きがい」「支えあい」テーマに元気に暮らせるまちづくり |
茨城県 NPO法人くらし協同館なかよし |
ひたちなか市の中心部にある本郷台団地と東中根団地は、昭和40年代後半に造成された一戸建団地(約1000戸)。近年、子どもが自立し、人口が減少、高齢化が進むに伴って、団地内にあった店舗等が相次いで撤退、ついには平成16年5月に生協の店が閉店すると、高齢者が日常の買い物に支障を来たし、閉店で住民の交流の場がなくなるなどの問題が出てきた。
この問題に対処するために、住民と生協と共同で「検討委員会」を設立。アンケートで施設利用について住民の希望を聞いたところ、「食品を販売してほしい」「食事や喫茶サロンなど、交流の場を作ってほしい」「近くで習い事をしたい」などの声が寄せられた。閉店した店先で販売活動を行ったところ好評だったことに自信を得るとともに、生協による店舗の無料貸与に、改装費の支援を受けられることから、空き店舗を拠点にアンケート結果をもとにした事業を展開するためにNPO法人を立ち上げ、平成17年11月に「くらし協同館なかよし」をオープンさせた。
館内(330平方メートル)には、手作りのお惣菜やパン、生鮮食品・野菜・生活雑貨などが販売されている「食の支援コーナー」をメインに、家庭の味のする日替わり定食が楽しめる「食事と喫茶サロン」、健康体操をはじめ現在28講座が開催される「つどいのコーナー」がある。畳の間の「ゆっくりコーナー」は、高齢者や小学生、若いお母さんの交流の場にもなっており、月2回開催の「子育てサロン」も好評である。ほかに「福祉製品展示コーナー」「レンタル・ボックス」などを設けている。高齢者向けのお弁当の宅配、生活サポート、相談事業等も行っている。認知症サポーターの養成も始めた。
産直の野菜や米の希望が多いことから、周辺農家を1軒1軒訪ね歩き、協力者を探した。現在、約50件の生産者や事業者と委託販売の契約を結び、野菜や朝水揚げされた魚などを「食の支援コーナー」で販売している。配達もする。
オープンから4年目を迎えた現在、運営は順調で、登録ボランティアは110人。女性が多い。利用者も1日200人に達する。仕事の内容によって8つのチームに分けて、好きな仕事を自己申告し、働きたい時間に働くという有償ボランティア(1時間240円)の形で、現在80人が楽しく働いている。60歳代を中心にしたボランティアにとって、ここで働くことが生きがいにもなっている。
こうした住民の思いや力をうまく引き出し、高齢になっても、楽しく、安心して暮らせる支え合いのまちづくりが評価された。 |
食の支援コーナーは買い物客でにぎやか |
食と喫茶のコーナーではふれあいサロンやお呈茶の日などもある |
|
■主催者賞
中山間地域に元気を取り戻すために―地域資源の活用と都市交流による活性化― |
栃木県 作原地区むらづくり推進協議会 |
○作原地区は、佐野市北部の中山間地に位置する。
高度経済成長期以降、地区の過疎化、高齢化が進行し著しくその活力が低下していたが、同会を中心に地域資源の掘り起こしとその活用、拠点の整備運営、都市住民との交流、他地区との連携等により、その活力を取り戻すとともに地域への愛着心をより強めることに成功した事例である。
○同会の主な取り組み
・そばや名水、地域住民の持っている技術等の地域資源の掘り起こし
・地域振興の核となる逢山ログビレッジの整備、運営
・都市農村交流、地域への愛着心の喚起のきっかけとなる逢山祭の開催
・近隣の他地域との連携による取り組み規模の拡大
・農業の活性化や女性の雇用確保等の地域の課題解決 |
蓬山ログビレッジの中にある農村レストラン |
新たに商品開発した「面白石まんじゅう」も好評 |
■主催者賞
食育と伝統食 |
埼玉県 和光市食文化研究会 |
「先人たちの知恵に支えられた郷土の食文化の豊かさ・素晴らしさを学び、日々の食卓に活かして後の世代に伝えよう」との目的で平成9年に発足。現在、会員は男性18名、女性19名の計37名。
@ はじめに、市内の農家の年配者を対象に、食に関する聞き取り調査を行なった。市内の伝統食を模索し、記録をとり、レシピを作成し、テキストを作成し20冊を超える。
A メンバーは多彩で、代表の同級生、PTA関係者を中心に、地元企業の退職者などを含む。ゆるやかな組織の中で、メンバーがそれぞれ出来ることを無理なく、各種の活動に取り組んでいる。
B 日本で自給率の低いゴマ、大豆を中心に、大根、人参などの野菜を、休耕地を借りて作付けをして、収穫し、地元の食材として幼稚園、小学校などの児童生徒やその親たちと一緒になって、漬物、味噌などを作り、本物の味を通した食育活動を行っている。
C 理解のある農家と協力して、子どものために様々な作物を栽培し、収穫の喜びと野菜がどのようにできるのかを実体験させている。
D 和光市白子宿の明治から昭和初期頃の絵地図を作成し、地域社会の食文化の様子を分かり易く伝える手段となっている。
E 多くの活動を、メンバーのそれぞれが年間を通して実施。毎年の作付けについては、その種類、栽培方法などをメンバー各自が研究し、改良を重ねている。年間を通じての地域の行事への参加や収穫した食材による料理の種類に関しても、メンバーそれぞれが試作をし、工夫を重ねている。
F 地元農家と和光市に新たに入ってきた住民やその子ども達との関係を、食を通して創っている組織である。
G 行政からの補助金を辞退し、あくまでも自分達独自の活動と位置づけつつ、行政やNPOと協力して事業展開をしている。
このような同会の活動は、都市近郊の休耕地の有効な活用方法として大きな意義がある。また、旧住民と新住民との架け橋ともなっており、新住民の子どもには、その地が故郷となり、故郷の食文化を継承することで農業や地域への関心を深めることが出来る点は、高く評価できる。 |
小学校の総合学習で味噌づくり |
たくあん漬けで地域ぐるみで食育 |
|
■主催者賞
住みよい地域づくり―住民自治のまちづくり― |
三重県 柘植地域まちづくり協議会 |
市町村合併を機に、伊賀市では住民自治のしくみの検討が行なわれ、37地区において自治組織が結成された。柘植地域はこの中でも最も先進的な取り組みを実施している。
区(自治会)や各種団体、企業、個人など地域のあらゆる主体が連携しながら、地域課題の解決や地域資源を生かしたまちづくりを数多く展開している。活動の内容は、文字通り地域住民の話し合いの中から作り上げられた地域計画に従い実施されており、地区住民の生活ニーズに対応して多岐に及んでいる。
例えば、@子育て世代のニーズが高かった「学童保育」の実施、A学校と地域が連携した「教育ボランティア制度」の創設、B高齢者が安全安心に暮せるための「災害弱者見守りネットワークシステム」の構築、C地域資源を掘り起こし郷土学習や観光あるいは健康づくりにもつなげる住民手作りの「観光絵地図・案内板」作成、D歴史・文化を活かし活力あるまちづくりへつなげる「柘植の斎王群行」の復元などがある。
とかくマンネリ化しがちな活動内容を常に自分たちで検証し改善を試み、また、活動する人材が特定の個人のカリスマ性に支配されることなく、広がりを持った多くの人材の才能が上手く活かされている。
合併がきっかけとはいえ、広域化する自治体の中で埋没してしまうという住民の危機感を背景に、住民自身が主体的に取り組んでいる活動である点が評価された。また、区という伝統的で強固な自治組織が基礎になっているが、住民自治協議会の発足により、これまでの12の区同士の協力関係や情報交換が活発になり、区を越えた人材の活用や課題解決手段が次々と生まれている点は、新しい制度ができたことによる成果であろう。
活動の初期段階で新市の総合計画の項目に合わせて5つの部会(@人権・同和部会、A健康・福祉部会、B生活・環境部会、C教育・文化部会、D産業・交流部会)に分かれて「柘植地域まちづくり計画」をまとめているが、こうした計画づくりをほとんど住民のみで行なうことができるという地域力は、それまでの地域の運営が地域住民自身によって行なわれてきたことの証であり、新しい制度がさらにその潜在的な力を引き出しているという点で、全国の地域活動に対して貴重な参考事例となるものである。 |
災害弱者見守りネットワーク研修会でのワークショップ |
斎王群行を再現 |
|
■主催者賞
住民が運営する路線バスとして「日本一の乗客数!」と高い評価を受ける |
京都府 醍醐コミュニティバス市民の会 |
平成9年10月、京都市営地下鉄東西線の開業に伴い、市バスが廃止されたことをきっかけに、平成13年9月、世界遺産の醍醐寺のある伏見区醍醐地域に、コミュニティバスを行政に依存せずに走らせることを目的として同会を立ち上げた。
京都市醍醐地区は山すそに住宅地が形成されており、東西の両地域に入り込んだバス路線はほとんどなく、両地区に居住する高齢者のための公共交通の整備が長年の課題だった。
同会は住民の主体的な取り組みで実現したもので、全10小学校区の自治会と地域女性会を中心に結成されている。NPOや大学教授など外部の視点も取り入れながら、立ち上げに2年半の歳月をかけている。この間、全戸アンケートのほかワークショップや説明会などを100回以上開催、徹底した話し合いで地域の合意形成を図った。
醍醐寺の花見シーズンには臨時バスを運行。観光客の誘導に延べ200人の住民がボランティアで当たるなど、住民が広く参加している。
また、「住民(特に高齢者)の足」「住民のバス」というコンセプトがしっかり保たれている。住宅地の路地をめぐる5路線の運行、病院と商業施設が基点となっていること、バス停は約200mおきに109か所に上ること、車体のラッピング広告や社内の吊り広告はしていないことが挙げられる。
また、行政の補助金に一切頼らずにバス事業を成り立たせている。事業費は運賃収入のほか地域の施設、団体、企業、個人からの支援金で賄っている。乗客数は着実に増えており、2006年度=383,402人、2007年度=518,187人、2008年度=570,225人となっている。
このように、地下鉄開業に伴う市バスの削減をきっかけに立ち上がった住民らが、地域の公共交通はどうあるべきかを真剣に考え、行き着いたのが「市民による市民のためのコミュニティバスの運行」だった。結果的に上記の地域課題の克服につなげた。立ち上げまでの主体的な取り組みは、もともと強かった住民の絆や連携をより強固なものにし、地域のさらなる一体化に貢献した点で評価できる。 |
醍醐コミュニティバス(38人乗り) |
利用客も増加している |
|
■主催者賞
半農半後継創業モデルを活用して地域を元気にする! |
島根県 旅館 吉田屋 食と農のインキュベーションNOLO |
○後継創業
旅館吉田屋は温泉津温泉にある明治創業の伝統ある老舗旅館であるが、後継者不在のなか廃業も視野に入れていた。そのような中、島根雇用創出プロジェクトに参加をしていた当時24歳の山根多恵氏が旅館吉田屋と出会い、先代の経営者夫婦のもと、旅館業・女将業のてほどきを受け、2005年12月に旅館吉田屋の若女将に就任。
○半旅館半地域貢献
旅館吉田屋を老舗旅館であると同時に、田舎の問題解決をする拠点として位置づけ、営業日を金土日の週末3日間に限定。平日4日間は地域貢献日とし、スタッフそれぞれが地域の問題解決をテーマに動き回っている。若者が田舎を面白いと感じ、地域の問題解決と自分自身の個性が交わる「半旅館半地域貢献」という働き方によって、地域再生を担う人材育成のモデルを提示している。現在のリーダーは、山根さんの弟子である三原綾子さん。若女将の位置を引き継ぎ、23歳という若さながら次の地域再生を担う若者を育成中である。
○農地再生
旅館業と平行して、東出雲町野呂地区にある耕作放棄地を利用した「食と農のインキュベーションNOLO」を開設し、ブルーベリーやそばの栽培の栽培に都市住民を巻き込んだ農業の新たなモデルをつくっている。
○田舎会社東京支店
大学生30人がインターンに来たのを機に、田舎の問題解決を図ろうと、「田舎会社東京支店」を立ち上げ、田舎の老人たちが作る規格外野菜を「もったいない野菜」と名づけて仕入れ、規格外野菜の流通を図った。
○このように、現在では、若女将・三原綾子氏の旺盛な活動意欲と優れた構想力、そして地域愛により、吉田屋は新しい形で経営され、経営を基盤にした地域貢献がなされている。この団体の地域貢献は旅館吉田屋の経営を前提にするものであるが、地域貢献の核に人材育成を置くことによって、狭義の地域を超えた地域発展のあり方が追求されている。
○吉田屋の地域貢献は固定観念にとらわれず、二代目女将山根多恵氏以来、@「人物をよく観察し、個性と長所を発見する、そして、辛抱強くその人の持つ可能性を引き出す」,A「一緒にやると決めた仲間を信頼し、仕事を委ね、責任は女将がとる」、B「育った人材は、社会に還元し、吉田屋に拘束しない」という方針を貫いているように思われる。
このように、老舗旅館を引き継ぎ、現代風にアレンジして再生させる「後継創業」というモデルを作るとともに、それを農業にも適応し若者の働き方の新しいモデルをも提示しており、地域貢献の新しい型として積極的に評価したい。 |
■主催者賞
歴史と史跡・ごんだの見える美しい雲海の村づくり |
宮崎県 NPO法人正応寺ごんだの会・正応寺自治公民館 |
1.暗いイメージの村からの脱出
歴史をもつ正応寺地区は、昔からの屋敷が多く、家の周りを樹木や竹が狭い、道路を覆い、地区外の人に「こんなところに住んでいるのか」と驚かれたというくらい、昼間から外灯が必要な、「50年間進歩のない村」といわれた地区であった。平成7年、自治公民舘長に就任した石井氏は、「自分たちで出来ることは自分たちでやる」など3つの正応寺住民の心意気を示し、住民にこれからの村づくりを呼びかけた。行政にも協力を求め、道路の整備や拠点作りを実現するとともに、屋敷木を切る運動を進めた。多くの住民、家が協力、見通しのいい、明るい景観の村が実現した。こうした動きが評価され、平成12年度に田園空間博物館に指定され、住民によるワークショップで、「やっさごんだ(安久の柿)の見える景観復元」など3つの夢かかげ、地区の整備構想としてまとめた。このうち、「やっさごんだの見える景観復元」は、住民が出来ることとして、かつて村中に植えら、秋の村を柿色で演出していた安久柿を住民が休耕地などに植え、その景観の復元を進めている。
2.「どげんかせんといかん」とNPO法人設立
15年度の正応寺を考えるワークショップで、高齢化、過疎化で村を維持できないことが判明、活動しやすい体制をつくるために、平成18年、地区にNPO法人正応寺ごんだの会を設立、収益事業も目標に含めた村の活性化に取り組むことにした。「基幹産業である農業を守り育てる」「都市住民との交流を図りながら、農村の文化、景観、環境を保全する」など4つの目標にして、協力を呼びかけたところ、現在会員40名、サテライト会員50名が会員となり、農業の振興だけでなく、水路や農道の保全、景観環境向上に取り組んできた。特に、耕作放置地での耕作再開事業は、農業生産物の増加だけでなく、農村景観の保全にも役立っている。
3.地域の歴史や景観を活かし、市街地住民、他市町村との交流
会では、市外地の子ども達を対象に、正応寺探検会、郷土学習を実施、また、他地区住民を対象に史跡ウオーキング、ふる里コンサート、また、柿酢づくりなどの体験学習などを次々に実施、多くの参加者を受け入れている。住民にも、地域外の人の姿を多く見かけるようになったことから、地域を誇りを持ってみてもらおうという、おもてなしの心が生まれてきている。さらに、こうした村づくりを聞いた県内外の視察研修も増え、さらに正応寺を売り込む機会と、以前は誇りを失い元気のなかった住民が見違えるように生き生きと活動し、暮らすなど、大きく変わってきている。それだけでなく、正応寺の雰囲気がいいとUターンだけでなく、Iターンの住民が住むようになり、市内で住民の数が増えた地区と市長を驚かせた。会では、高齢者も増える地域で、地域福祉体制の構築も課題にするなど、現状にとどまることなく活動を広げているが、それを支える地域住民の力も着実に育てていることも、法人化の成果ともいえよう。 |
都市住民との交流「史跡探訪ウォーキング」 |
柿酢つくり講習会 |
■振興奨励賞 |
北海道黒 黒松内町フットパスボランティア フットパスボランティアと自治体が協働で取組む「フットパスによるまちづくり」 |
|
青森県 千田町内会ほのぼの交流会 感動の共有と感動の提供による心の充足 |
|
岩手県 下内野自治会 下内野4WD計画による「かじかの里」づくり |
|
岩手県 里山クラブやかまし村 やかましい程に活気あふれる里山に・・・ |
|
岩手県 盛岡大通商店街協同組合 コミュニティ広場「街はステージ」の取り組み |
|
岩手県 一関市千厩町第13区自治会 ふれあい花壇づくりで地域づくり |
|
宮城県 ボランティアゆう遊 地域の元気は仲間づくり・ひとづくりから―高齢者の健康づくり支援活動を通して― |
|
秋田県 NPO法人メリーゴーランド 子育て支援活動 |
|
茨城県 NPO法人取手ぶるく 長続きの原動力は楽しさ |
|
群馬県 エンジョイネットワーク 片品 元気で夢のある 村づくり 人づくり 暮らしづくり |
|
埼玉県 和光市地域子ども防犯ネット みんなで子どもたちを守る住民ネットワークによるまちづくり |
|
千葉県 井戸端手話の会 「井戸端手話の会」から広がる近所づきあい |
|
神奈川県 鴨居原市民の森 愛護会 粗大ゴミの森を「市民が憩える森」に再生 |
|
新潟県 小国山野草会 仲間づくり、生きがいづくり、地域おこし |
|
富山県 水橋ミニクラブ「アドベンチャーじょうじょう」 大人も子どももいい顔で!―「共育型」学童保育を目指して― |
|
長野県 NPO法人夢空間松代のまちと心を育てる会 信州松代の歴史と文化を活かしたまちづくり |
|
静岡県 掛川おかみさん会 次世代へ引き継ぐ商いや街のための活動をしよう |
|
静岡県 原田地区通院車運営委員会 通院車運行ボランティア17年 |
|
愛知県 NPO法人子育て支援のNPOまめっこ 子どもの笑顔で街が変わる―合言葉は「親も子も主人公」― |
|
愛知県 島を美しくつくる会 アートによる島おこし |
|
愛知県 かりや消費者生活学校 企業の街が第二のふるさと |
|
愛知県 大府スケッチ研究会 スケッチで街の活性化 |
|
三重県 三重県立相可高等学校 園芸福祉で地域づくりを |
|
滋賀県 八幡酒蔵工房 放置〜再生活用〜ネットワークを紡ぐ健やかライフ |
|
京都府 あんしん・あんぜん上鳥羽推進委員会 小さなおせっかいがここちよい上鳥羽のまちづくり |
|
兵庫県 井吹東ふれあいのまちづくり協議会 ふくし銀行があるまちづくり―人を大切にするまちづくり― |
|
兵庫県 マイスター工房八千代 人よし・味よし・笑顔よし―ここにしかあらへん“田舎のコンビニ”― |
|
兵庫県 稲美地活会 子育て支援あすなろ会 子どもたちが輝ける町づくり |
|
奈良県 うぶすな編集部 地域から広域に向って―ボランティアだからこそ、できる!!― |
|
和歌山県 紀南養護専攻科を考える会 独自の発想で全国初の障がい青年の学びの場を福祉制度で設置 |
|
愛媛県 21世紀えひめニューフロンティアグループ 今やれる青春 社会への揺さぶり 1年1事業 |
|
大分県 NPO法人わらべ 福祉通じて町づくり「いつでもどこでも子育て支援」 |
|
鹿児島県 大馬越地区コミュニティ協議会 コミュニティ協議会で取り組むむらづくり |
|
|
|