「私たちの生活学校」149号掲載 |
活動北から南から |
地域のおばあちゃんになろう!―子どもとママのサロンを開設― |
栃木県・宇都宮市 富士見が丘生活学校 柚木正子 |
私たち富士見が丘生活学校では、住みよい地域づくりをめざして、環境美化や地域福祉に関する活動を継続して取り組んできた。 平成12年度、介護保険がスタート、同じ頃、地域の老人会が「シニアクラブ」として再活動したのを機に、高齢者のことは元気な高齢者に任せることにして、それまで行なっていた「高齢者支援」を「子育て支援」に切り替えることにした。 そのころは少子化社会が問われ、また各地で起きる幼児虐待事件なども重なって、地域での子育て支援が求められるようになっていった。 若いお母さんにホッとする場所を 私たちにどんな支援ができるのか? エンゼルプランの学習会を開いたり、保育園に見学に行くなどをして、1年間の準備期間を経て、平成 13年5月に「子どもとママのサロン」を発足させた。 「若いお母さんのホッとする居場所づくり」「お母さん同士の仲間づくりの場」「普段着で参加できる」が、サロンを開設したメンバー共通の想いであった。そして、「私たちは地域のおばあちゃんになろう!」 を合言葉に活動を開始した。 サロンの内容は次のとおりである。 開催は月1回(ただし、8月と1月は休み)で、第2水曜日の午前10時から11時30分まで。途中の退席は自由としている。会場は地域の自治会館。参加費は、無料でスタートしたが、子どもの万一を考えて、「傷害保険」を掛けることにした。保険料として一家族100円を参加時にもらっている。 PRとしては、「口コミ」と「ポスター」。開催当日は自治会館前に看板を掲げている。メンバーは30分前に集合して、会場づくりなどをする。毎回10人位が自主的に協力している。 開設当初は、「廃品利用のおもちゃづくり」「折り紙を使っての飾り物」等をお母さんに指導しながら一緒に作った。フィルムケースを使って作ったマラカスは今も遊びに使っている。 最近は「ひな祭り」や「クリスマス」の時期に、私たちの手づくりの品をプレゼントすることにしている。今年も「おひなさま」を作ってプレゼントした。 私たちの「サロン」を応援してくれる保育園があり、これまで3回ほど「出張保育」をしていただいた。「さすが保育上さん!」。子どもたちの目の輝きが違う。そのような助けを借りながらこれまで40回、無事に開催してこられた。 お母さんがリラックスじて子どもも安定 これまで参加した子どもの延べ人数は、363人。現在通ってくる中に、2歳6か月になる双子の赤ちゃんがいる。サロンに「デビュー」した時は、4か月の赤ちゃんたった。上にお姉ちゃんがいて、お母さんは3人の子育てでさぞたいへんだったと思う。 また、家でもサロンでもよく泣いていた泣き虫君は、今では、元気な3歳児に変身中である。お母さんの不安な心が赤ちゃんに移って泣くのだと聞く。育児の一番たいへんな幼児期に周りの人が少し手助けすることで、お母さんがリラックスして、子どもも安定する。 私たちは小さなお子さんから、笑顔と生命力をもらい「サロン」が楽しみになっている。 「気負わず」「無理をせず」をモットーに、地域に根ざした「サロン」は、今やここに集うみんなのオアシスになっている。 |