「ふるさとづくり'99」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

国際交流ふれあい農園活動
京都府福知山市 京都府北部国際交流協会
 京都府福知山市も最近では外国人を多く見られるようになり、その数は市の人口67000人の1%を越す850人にもなっている。それぞれの縁でこのまちに住むことになった外国人にいっときでも住んで良かったと思ってもらえる地域づくりがしたいと、京都府北部国際交流協会(代表塩見日出勝さん、メンバー73人)は、平成6年からふれあい農園活動による国際交流に取り組んでいる。


ともに喜ぶ収穫祭

 国際交流の活動といえば1日限りのイベント行事が多いなかで、年間を通じた活動で、田舎色を出し言葉に気を使わなくてもよい交流方法はないものかと考えあぐねて、ふれあい農園活動を選んだ。農作物の成長と実り、そして収穫は人間として共通の喜びであり、土を通じともに汗を流す交流は、本音の交流が実感できるという。
 会員は外国人17人を含む73人で、外国語を話したこともない高齢者も入会している。例会を兼ねて毎月第2日曜日が活動日である。会員の楽しみは作業のあとの野外バーベキューで、昼食をとりながら交流する。
 2600平方メートルの畑には、20種類約70本の果樹と、ビニールパイプハウスがある。ハウスの半分は雨天でも交流活動ができるスペースをとり、もう半分は外国人たちの故郷の果樹や草花、野菜などを栽培している。農園はボランテア活動で運営し、経費もほとんど助成金で賄っている。
 毎年初秋に行う収穫祭は定例化し、大きな国際交流事業となっている。平成9年度の収穫祭は17か国70人の外国人を含む350人が集いともに祝った。各国の歌、踊り、民族衣装のショウや楽器演奏、世界のクイズ等のほか、お国自慢の外国料理コーナーもある。話は弾み、酒を酌み交わしながらの交流が繰り広げられる。


タイの農村に井戸をプレゼント

 同協会はタイの農村に井戸をプレゼントする活動も行っている。井戸1基分の材料費2万円を送金すると、地元の人が手掘り工法で完成させる。井戸プレゼンを広く京都府全域に広報したところ、たくさんの人から募金が寄せられた。現地から井戸が完成したとの連絡を受けると、なかには自費でツアーを組み、現地に赴き交流を深める人もいる。過去3年間で24基の井戸が設置された。
 このほかにも「メダカの学校づくり」の活動がある。田舎でもほとんどど見られなくなったメダカの泳ぐ池を作り、「そーとのぞいて見てごらん」というあの感触を子どもたちに味あわせてやりたいとの思いから取り組んでいる。市内に17校ある小学校の校区内に1か所づつメダカの池を造る企画で進めている。地元からきれいな水が取水できる20平方メートルほどの土地を提供してもらい、すでに6つ目の池ができた。