「ふるさとづくり'98」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
さどわら鯨の町づくり |
宮崎県佐土原町 佐土原くじら会 |
宮崎県佐土原町では鯨ようかん屋に続けと、鯨のぼり店、鯨畳店、鯨弁当店等が並び、街角に鯨にちなんだ看板が徐々に数を増やしている。幼稚園のバスにも仲良し鯨が描かれ、空には鯨のぼりが泳ぎ、その下では鯨杯のスポーツ大会が開催されるなど、佐土原町は鯨の町へと変貌しようとしている。これら「鯨事業」を進めているのが異業種交流グループ「佐土原くじら会」(代表・池田仁志さんメンバー140人)だ。 鯨にこだわった事業と特産品 同会は平成5年10月に、(1)青少年健全育成、(2)地域の活性化、(3)地域文化の発掘と伝承、(4)地域交流を目的に掲げ誕生した。以来、鯨の町づくりに取り組み、数々の事業を展開してきた。 平成6年2月には「時代まつり」を開催、PR用に12メートルにも及ぶ鯨の山車を制作した。5月には、会員の畳屋さんが、畳のヘリに鯨のデザインを施し、畳ゴザにも大きな畳を特殊インクでペイントした「鯨畳」を考案した。この年5月には、地元の焼酎メーカーとタイアップして「福吹く鯨」とネーミングした鯨焼酎を製作、さらに白い鯨をモチーフにした「白鯨」を売り出した。平成7年2月には商店街のシャッターを鯨の絵を描いたシャッターに変える「鯨の町アートシャッター大作戦」を展開した。そのデザイン協力を地元の佐土原高校デザイン科に依頼したところ、プロ顔負けの鯨のアートが次々に生まれた。現在まで15店舖が鯨のアートシャッターに変わった。夜はライトアップされ町は明るくなった。 その間、鯨杯争奪、小学校男女バレーボール大会や中学生女子ソフトボール大会も始めた。平成8年4月には、佐上原の空に鯉のぼりならぬ鯨のぼりが空高く泳ぎ始めた。「7つの海を渡る国際人に育て」という子どもたちへの願いを込めて考案されたものだ。このユニークな鯨のぼりはマスコミにも取り上げられたこともあって売れ行きは上々で、来年は“10000頭”生産体制を敷いている。また、平成8年8月には第1回一ツ瀬川くじら川下り大会を開催、24チームが参加して川遊びを楽しんだ。今年の参加チームは昨年の倍の50チームと増えそうだ。 インターネットで鯨の町を発信 佐土原くじら会は平成5年10月の結成以来、400回以上の大小の活動を進めてきた。鯨にこだわった12事業を実施し15の特産品を実現させ、鯨をモチーフにしたふるさとづくりは、全くニュースのない町から多くのニュースを生みだし、新聞やテレビ等で紹介された。その結果、佐土原くじら会は多くの県民や町民に知られることになった。 平成9年2月には、インターネットのホームページに「佐土原くじら屋」というバーチャルデパートを建設、7階建ての仮想デパートに全国の鯨グッズを集約して世界に向けて発信している。 |