「ふるさとづくり'98」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

お手玉普及で笑顔の輪を広め
愛媛県新居浜市 日本のお手玉の会
 お手玉遊びの普及で、家庭や学校、職場そして世界のまちまちに、手から心に温もりを伝えあい、「笑顔の輸」を広めていきたい。日本のお手玉の会(代表・武田信之さんメンバー500人)は、全国から参加のある全国お手玉遊び大会の開催や老人ホーム、小学校など全国各地をはじめ世界へお手玉普及活動を展開している。


多数が参加して全国大会開く

 第5回全国お手玉遊び大会は、平成8年9月、17都府県およびお隣韓国から700人の選手が参加して、新居浜市で開催された。団体戦には、6歳から86歳までの幅広い年齢層が参加し、小学生や高校生、家族、外国人のチームが競技を繰り広げた。会場は、7000人の見物客で賑わった。この大会は毎年開かれている。5回大会からは競技には参加しない人にもお手玉で遊んでもらおうと「お手玉遊園地」を設け、お手玉による交流が図られている。
 この大会の参加は、平成4年の第1回が7都府県、第2回が11都府県、第3回が23都府県と参加の輸が広がっている。また、会員は、500人となり、44都府県にまたがり、ほぼ全国を網羅している。支部は7県7支部となり、ハワイ支部まで誕生している。


お手玉持参し、各地で普及活動

 お手玉遊びの普及活動は新居浜アメニティ倶楽部が、「郷土の文化を見直し、よいものは後世に残していこう」と9年前に始めた。お手玉には、おばあちゃんから孫へ、世代を超えた語らいや交流があるからだ。やがて、全国大会などを開くには運営母体が必要と、日本のお手玉の会が新居浜市に設立された。
 さっそく、段ボール箱に、お手玉とお手玉の材料を詰めて、老人ホームや小学校、公民館などを訪れ普及活動に取り組んだ。新居浜市はもとより愛媛県内各市町村、香川県、烏取県、兵庫県さらに長
野県、東京都、そしてハワイまでも出掛けている。
 同会の活動には、「ミニ世界のお手玉展」や「作り方教室」、「遊び方教室」の3点セットというのがある。お手玉展は、日本のみならず世界各国の130点のお手玉を展示している。教室では、会員がお手玉の作り方や遊び方を指導し、主役はどこでも「おばあちゃん」である。
 この教室でいくつかの感動的な場面に遭遇。「お手玉のやり方も歌も忘れてしまった」といっていた80歳のおばあちゃんが30分お手玉に触れていると、次第に手が動きだし、ついに立ち上がり、歌いながら、3個をやってのけた。そして、「できるとは思わなかった」と涙ながら話していた。また、先生も生徒もできなかったある小学校でも、給食係のおばさんが上手に技を披露した。