「ふるさとづくり'98」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

独自の山村文化を創造する
岩手県山形村 バッタリー村
 バッタリー村は、戸数が5戸、人口18人の小さな集落だ。ここには、山村にいきる生活文化の創造活動と、それを体験できる場がある。「ふるさと荘」では、囲炉裏で話し含い、バッタリー会館では炭焼きが体験できる。いきいき創造館は生活民具を作る所だ。都市との交流も盛んに行われている。こんな山村文化を創っているのが「バッタリー村」(代表・木藤吉徳一郎さんメンバー18人)である。


一人一芸−できるところから−

 バッタリー村こと木藤古集落は、山形村の荷軽部地区に昭和60年に誕生した。バッタリーとは水の力で石臼をつく道具のこと。納屋を改造した「ふるさと荘」では、囲炉裏を囲んで連日、生活の中で身につけた技を生かした村おこしを語り合ってきた。「一人一芸」を基本にして生まれたのが「おふくろの味セット」だ。このセット(稗、粟、黒豆、焼き豆腐、ぼたもち等)は、ゆうパックとも提携して全国から注文がくる。また、東京の消費者グループとの産直や交流会も活発だ。交流会では石臼で豆を挽く手づくり豆腐が体験でき、囲炉裏で焼く豆腐田楽や豆腐汁なども大好評である。


広がる山村文化の輪

 この村を訪れる人は年々増えている。首郡圏の消費者グループを始め、一橋大学、岩手大学、弘前大学等のゼミの学生も多くなった。バッタリー会館には、炭焼きの体験や技術研修のため、県外、海外からも訪れる。「ふるさと荘」では、くんせい室も備えられ、地鳥のくんせい、山菜の乾燥を学び、地元住民と囲炉裏を囲んで夜なべ談義ができる。「結いの森」は、森林浴やトレーニングコースとして整備されている。地元の村民と訪れる各地各層の新しい村民とが一緒になって、理想の村づくりが自然体で続けられている。