「ふるさとづくり'97」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
星空の観察から得た地域興し |
鹿児島県財部町 スペースアドベンチャークラブ夜行星131 |
地域の恵まれた自然の中で星空の観察を通して、青少年の健全育成と町の活性化や文化の発展の推進にと、昭和63年から取り組んでいるのがスペースアドベンチャークラブ夜行星131(代表・栫井晃さん、メンバー16人)である。活動内容は、定期的な星空観察をはじめ天体ショーに合わせての観察会、星空の宅配便などであり、こうした活動を通じ活力ある地域社会の実現に向け活動を続けている。 学校や公民館等で「星空の宅配便」 夜行星131のグループ名の由来は、夜、星を見に行くということ夜行星(やこうせい)と、財部町が東経131を通っていることからの命名である。 定期的な星空観察会は、平成元年の「夏休み星空ウオッチング」を皮切りに、今日まで毎年「春夏秋冬」に年3〜4回、公民館やキャンプ場などで定期的に実施している。天体ショーに合わせての観察会は、話題を呼んでいる彗星や月食、日食などの天文現象に合わせたものである。主なものは、平成2年5月のオースチン彗星や平成5年6月の皆既日食、平成6年7月のSL9彗星と木星の衝突、世界的に有名になった百武彗星などである。 夜行星がもっとも力を入れているのが「星空の宅配便」である。星空の観察会に参加できない子どもたちに一人でも多く夢を与えようと、望遠鏡や星空案内人の宅配、つまり移動青空教室を開いている。宅配便は、学校や公民館、公園などで季節ごとの星空の案内や天体望遠鏡や双眼鏡での観察会、パソコンを使ってのプラネタリウムや星の学習会を行い、大宇宙への夢を育んでいる。最近では、県内外への各種団体や個人から依頼があいついでいる。 子どもたちに夢と希望を また、環境庁が昭和63年から毎年、夏と冬に実施している全国星空継続観察には平成3年の夏から参加している。「星を見るのに日本一適した街」の認定を受け、地元の子どもたちに夢と希望を与えている。さらに、町主催の総合文化祭には、昭和63年11月から毎年、天体写真などを展示している。最近では百武彗星写真展を開催した。 夜行星の活動は、21世紀を担う子どもたちに星空の観察を通じ、宇宙や自然環境に関する関心や想像力を養い、さらに、おおらかな人間に育っていくように願っている。また、大人たちにも、忙しい現実のなかから、忘れかけていた「夢とロマン」が少しの間だけ取り戻されている。 |