「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

子どもがのびのび遊べる公園づくり
神奈川県川崎市 宮前区子どもの遊び場を考える会(ポレポレ会)
 どもたちがのびのびと自由に遊べる場、冒険遊びができる場としてのプレーパークを目指して運営、企画、管理をしているのが「宮前区子どもの遊び場を考える会(ポレポレ会)」(代表・鈴木寿子さん、メンバー70人)である。始まりは9年前。それまで各地の公園で遊んでいた幼児をもつ主婦ばかり7人が集まり、ありきたりの公園を何とかしようという思いがきっかけとなり、そこに行けば誰かがいて、自由に遊べる、「○○してはいけない」などという禁止事項もない―そんな昔では当たり前だった遊び場を作り出したのである。


公園の実態を調べてみたら

 同会は、まず、宮前区内の公園の状況を調査することにした。区内125か所の公園について、遊具の種類、数、広さ、トイレや呑水場、さらに子どもたちの遊びの様子も含めて、夏と冬の2回、1年をかけて調査。その結果、どこの公園も、ぶらんこ、滑り台、砂場といった同じ遊具ばかりの代わり映えのしない金太郎飴のようなものばかりだった。また、ほとんど利用されていない公園があるかと思えば、一方では遠方から人が遊びに来ている公園もあり、この矛盾はどうしてなのか学習会を開くなど「プレーパーク」を目指した模索が続いた。そして、会が発足して5年目の92年10月から、毎週水曜日と第3日曜日に有馬ふるさと公園で開園することになった。


子どもだけでなく大人も楽しもう

 開園日には公園内に、ロープやスコップ、大工道具やハンモックなどを運び込み、子どもたちが自由に使えるようにした。泥んこ、木登り、焚火……普通の公園での規制をはずした楽しい遊びは、回を重ねる毎に盛りだくさんになり、そこにいる大人まで遊び出してしまうほどだった。そこで、もっと多くの大人たちにも一緒に遊んでもらおうと、ニュースレターや地方紙に活動を紹介したり、シンポジウムを開いたところ、地域の大人の参加が年々増加し、メンバーにとっては大きな励みのひとつとなっている。
 いままでの活動記録を冊子にした。このような費用も日々の活動の道具類もすべて自前で、会員の会費と少ない助成金でまかなっている。こうしたやりくりもさることながら、プレーリーダーとしての人材育成も今後の課題となっている。将来的に毎日開くプレーパークを実現するため、これからもより多くの人にメッセージを送り、また、行政にも理解と支援を要請し続けていくことにしている。