「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

郷土の自然と共生した安らぎの公園づくり
埼玉県鷲宮町 弦代公園の自然と環境を守る会
 弦代公園の自然と環境を守る会(代表・栗原昭文さん、メンバー63人)は、雑草に覆われて荒れ放題になっていた公園を整備し、芝生を植え花壇やばら園を造り、みごとに地区住民の安らぎの場として再生させた。
 埼玉県の鷲宮町は、水田地帯にできた人口約35,000人のベッドタウンである。平成6年12月、桜田4丁目自治会の忘年会の席上で「弦代公園(広さ約8万平方メートル)が荒れているのでキレイにしたい」と提案が出されて、その結果会員募集となった。この公園は雨水の調整池(1周1.1キロ)として建設された当時は、公園全体が緑豊かな芝生で覆われていた。ところが最近、当時の景観は見る影もなく一面雑草に変わってしまっていた。


花壇と芝生で蘇った公園

 当初集まった30人の会員たちは、広大な公園のどこから手を着けて良いのか悩んだ末、いくつかの場所を選定し花壇と芝生づくりから始めることとした。まず、公園内の30平方メートルを開墾し、パンジー1,000鉢、ムスカリ350鉢を植えた花壇を造った。その後子ども会も参加して、ペチュニア、サルビア、マリーゴールド等が植えられ、春や秋の花祭りには、人々の眼を楽しませるまでになった。芝生は、築山の300平方メートルを開墾して植えた。町行政の好意で4トン車一杯の芝生と黒土が用意され、朝7時半から作業が始まった。雑草の生えた地面を厚さ10センチ掘り、黒土を入れ芝生を張る作業は、慣れないこともあり、完成したのが午後3時近くとなった。それでも、誰も一言もぐちをこぼすことなく黙々と頑張った。今は青々と立派に育った芝生で子どもたちが遊び、会員たちは活動の後でビールの味を満喫している。ばら園は、赤土を2トン車で7杯入れて盛土した。元肥を十分に施し120本のばらを植えた。今では、赤、黄、白、ピンクのばらが見事に咲いて、公園を散策する人々の眼を楽しませてくれている。


リサイクル活動で資金づくり

 資源のリサイクルと活動資金づくりを目的に始めた廃品回収は、約1年間で述べ12回実施、その収益金は約23万円にもなっている。また、埼玉県コミュニティづくり県民運動推進協議会からは「花で彩るコミュニティづくりモデル推進地区」に指定を受け、その助成金は春と秋の「花で彩るコミュニティ祭り」開催の財源となっている。
 こうした同会の活動は、荒れ果てた公園を見事に蘇らせるとともに、さらに自然との共生をめざした安らぎのふるさとづくりに発展している。