「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

子どもたちに日本一のふるさとを
茨城県三和町 八俣ふきの芽会
 三和町八俣小学校区は、水田と畑地が広がる旧来の集落に加え、各所に新興住宅地が造成され、現在人口約10,000人、2,500世帯で25年前に比べ2倍に増え、21の「行政区」自治会組織からなっている。平成5年5月、住民総参加の「八俣学区コミュニティ計画」を実践する「八俣ふきの芽会」(代表・田中衛八さん)を組織し、ミニコミ誌の発行を始め、ふれあい朝市やふきの芽まつり等を開催、新旧住民の融和を図る活動を展開している。


新旧住民の交流を深めた「ふれあい朝市」

 急速に新住民が増え、住民勘の意志疎通が図れないでいた地域を、住民の自主・自発的な参加によるコミュニティ活動を通じ、子どもたちが「私のふるさとは日本一だ」と誇れる地域づくりを目指すことになった。そこで、コミュニティ活動に多くの住民が理解と協力・参加ができるよう、コミュニティの意義や生活に密着した情報を発信するミニコミ誌「ふきの芽」を5年6月から自前で作成、毎月全戸に配布している。
 また、地域には緑豊かな農地が広がっており、生産される新鮮な野菜を仲立ちに生産者と消費者の交流を深める「ふれあい朝市」を5年10月から毎月開催している。和気あいあいと笑顔が絶えない朝市は、すっかり定着し新旧住民の交流の輪が広がっている。ここでは身障者の出店コーナー、身障者ワークス事業支援とリサイクルを絡ませたアルミ空き缶回収も行っており、会を追うごとに盛況を極める内容となっている。


市民権を得た「ラブユーふきの芽まつり」

 住民のニーズが高かった盆踊りをメインに、子ども向けに企画した「ラブユーふきの芽まつり」は毎年9月に開催しているが、「ふきの芽会」が市民権を得ることになったイベントである。当初「参加者は500人程度」と見込んだところ3,000人を越え、住民の希望を生かしたまつりであることの証明となった。また、手作り「ラブユーふきの芽音頭」はイメージソングとして定着したし、オリジナルの「八俣ふれあい音頭」も完成した。
 そして、ふきの芽会の活動には多くの住民が参加するとあって、当初は無視していた町役場もその存在を認め、現在では代表が町総合計画審議会や新庁舎建設検討委員会の委員に選ばれている。この他に、三世代交流スポーツ大会や住民オンステージ「カラオケ親睦会」、高齢化社会研究会・自主防災研究会の開催、学区内全域の「クリーンやまたデー」の実施と、ごみ問題懇談会、および環境問題シンポジウムの開催等、住民による多彩な活動を展開してきた。これまでの活動を基に新たな推進プランを作成、さらに拡充を図ることにしている。