「ふるさとづくり'96」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

イベントや学習活動を通じ地域の連帯深める
和歌山県南部町 北道区
 北道区(代表・山内典さん、メンバー742人)は、平成6年から「生涯学習推進によるまちづくり」に取り組んでいる。平成6年には、8月に行われた区民が総出演しておどる王子祭りをメインイベントに、幅広い区民が集うビーチバレーボール大会や人権・平和・福祉を考える集いなどを開催し、生涯学習活動が推進されている。さらに、平成7年には、防災学習会や高齢者とのふれあいの集いなどの新たな企画も組み入れ、北道区の活性化と区民連帯が深められている。


生涯学習活動の推進

 北道区は241世帯の和歌山県南部町の町内自治区。生涯学習活動の推進は、会館完成など地域の条件が整ったことや南部町が生涯学習モデル事業を実施していることが契機となった。目標は、活動を通してふれあいを深め、区民の連帯をつくることである。
 生涯学習活動の取り組みは、平成5年末より準備が始まり、各種団体で北道学習推進委員会をつくり、区長を会長に、25人の推進委員を委嘱。平成6年2月に入り生涯学習活動が始まった。観梅と郷土学習をかねた区民遠足が第1回の活動だ。4月には、笑顔と歓声に包まれ共に汗を流したビーチバレーボール大会を開き、小学生から60歳代まで幅広く約100人が参加した。大会終了後、「おもしろかった来年もやろう」という声があがり、区民の交流が十分図られたと役員らは実感した。


伝統行事をみんなで楽しむ

 8月の王子祭りは、同地区の伝統的な行事。「みんなで創り、みんなで楽しむ」をスローガンに実行委員会を組織し、多くの区民の参加を呼びかけて、準備を進めた。当日は、3、000人を超える人でにぎわい、区民が総出演するおどりには、各班が趣向をこらし、ピエロや女装などに変装した人も登場。大変盛り上がった。
 人権・平和・福祉を考える集いを11月に開き、山本副区長自らの体験を語った。山本さんは、終戦を知らずに12年間もミンドロ島で生活。その体験から平和の尊さを訴えた。さらに、4回の清掃活動など地域環境の整備に努めている。
 平成7年には、区民に活動がさらに浸透し、充実するように、推進委員を増員し、企画・運営を執行する常任委員会などを新たに設けた。活動は、防災学習会や高齢者とのふれあいの集いも新しく計画している。
 地域の連帯や地区の活性化に向けた活動が、進展していくことだろう。