「ふるさとづくり'96」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

郷土文化の伝承や食文化の再現めざす
静岡県三島市 北上くらしのサロン
 女性の感覚を活かし郷土文化の伝承や食文化の発掘と再現などの活動を続けているのは、北上くらしのサロン(代表・庄司峯子さん、メンバー67人)。同サロンでは、これまでに「北上郷(むら)の伝承集」や「お元気メニュー」、「子供の健康を守るお母さんの手作りおやつ」、「北上ふるさとの味」など、数々の冊子をつくり、地域の生活文化の伝承に努めている。


北上郷(むら)の伝承集などまとめる

 同サロンは、北上公民館を核に女性のコミュニケーションの場として昭和59年に発足。発足したその年に、北上地域の郷土の歴史や行事、行事食、方言、民話などを収録した冊子「北上郷(むら)の伝承集」をまず発表。次年度には、北上地区の老人連合会のお年寄りから健康の秘訣やおふくろの味などを取材し、食文化や古老の知恵を「心と健康伝承集」として、さらに、平成2年度には、高齢者のための料埋集「お元気メニュー」を作成。これは、ひとりぐらしや老夫婦らが栄養のバランスがとれる食生活メニューとしてまとめたもの。
 平成元年度から4年度までは三島市から「純正食品普及運動」の事業委託を受け毎年、冊子にまとめる。それは、「子供の健康を守るお母さんの手作りおやつ」(元年度)、「豆腐作り伝承集」(2年度)、「純正食品思考集」(3年度)、「OオープンKキッチン料料理集」(4年度)などである。さらに、アンケート調査を行い、食品添加物に対する考え方も整理した。


三島本陣料理も再現

 地域文化の再生として、平成5年度と6年度には、江戸時代の「三島本陣料埋」を再現の取り組み、古文書により再現したのである。また、北上地域に伝わる四李折々の郷土料理を「北上ふるさとの味」として平成5年度に発行もしている。
 同サロンでは、北上公民館祭りや三島市消費生活展、水と蛍俳句&トークなどのイベントに積極的に参加し、地域の人々らとの交流を通し心のふれあいを図っている。
 これからの活動としては、(1)郷土料理「本陣料理」の普及、(2)女性の目を通し地域の文化や生活体験などを取材し冊子にまとめ次代に語りつぐ、(3)これまでにまとめた冊子をもとに市内各町内会での勉強会の開催などである。