「ふるさとづくり'96」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
生涯現役を目指し高齢者の手本になりたい |
富山県高岡市 定塚公民館「ばっちゃま劇団」 |
富山県高岡市の定塚公民館「ばっちゃま劇団」(代表・佐藤春枝さん、団員6人、準団員2人)は、定塚公民館の幸麗(高齢)者学級の受講生の中から意欲いっぱいの女性6人により結成された劇団である。最高79歳、平均年齢74歳というアマチュア劇団。 充実した生きがいのある「生涯現役」を目指す高齢者の手本になりたいと考えて芝居づくりに励んでいる。 病気になっている暇はない 「人形劇を学ぼう」から産声を上げた劇団だったが、やっているうちに欲が出てきて、今では出し物も人形劇から紙芝居、演劇と広がってきた。レパートリーも9年間で13にもなった。しかも脚本から衣装、小道其、舞台道具にいたるまですべてを平均年齢74歳の団員が行う。公演は、老人ホームや保育園などからの依頼を受けて行っている。高齢者が観客の時には、「私たちも頑張らなくては」と勇気と励ましを与えている。 ある時、公演当日団員の一人が出演できなくなった。すると団員の生き方に共鳴した住民の一人が急遽代役を務め、見事にその任を果たしハプニングを切り抜けた。これは長く続けてきた地道な地域との交流や団員の生き生きとした生き方が着実に実を結んだ証だった。まさに同劇団の活動清動は地域のカンフル剤になっている。そして団員自身もこう語る。 「お芝居は体を動かし、声を出すので健康にもいい。元気でいられるのもお芝居のお陰。お芝居が楽しくて病気になっている暇はない」と。 一人一人が生きがいを求めて 世界一の長寿国となった日本だが、ただ長く生きることだけを自慢するのではなく、どう生きるかがこれからの問題である。同劇団は活動することが自分を高め、さらに周りにも勇気を与えることを実感している。一人一人が生きがいを求めて一つのお芝居をつくっているのである。 「旺盛な好奇心を持つこと。それは、今を生き抜くための芽を育てることである。」これは「ばっちゃま劇団」の基本テーマである。 |