「ふるさとづくり'96」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
特産品の開発とPR活動で地域おこし |
新潟県白根市 越後しろねを考える会 |
新潟県白根市で活躍する「越後しろねを考える会」(代表・関根繁之さん、メンバー80人)は、都市との交流を中心に特産品開発とPR活動を展開している。 白根市には、米をはじめ生産量が県下一を誇る果樹などの豊かな農産物や日本三大絞りの一つ「白根絞り」、世界一の大凧合戦など豊富な資源がある。同会の目的は、これらの資源を都市と農村の交流の中でPRや販路を拡大し、モノだけではなく、人と人、文化と文化の交流にまで高めていこうとしている。 東京で大凧と物産のPRイベント 東京の真ん中で「越後しろね」をPRしようと、平成6年1月に市民約70人が品川区天王洲アイルで大凧と物産のPRイベントを開催した。その1回目の内容は、大凧(24畳大)の組み立てと凧揚げ、白根の物産がたっぷり入った「おたのしみ箱」の無料配布、西洋ナシの試食、ふるまい酒、白根絞りの展示など盛りだくさんであった。行政の支援をほとんど受けずに行ったこの市民主催のイベントは、訪れた人々にふるさとや心の温かさを感じ取ってもらい、白根の観光資源のPRにつながり大きな成果を上げた。このイベントは平成7年には、天王洲アイルと八王子市の多摩ニュータウンの一角で「南大沢フェスティバル」を開催し、いづれも大成功を収めている。 特産品の開発 白根市の特産品である西洋ナシ「ル・レクチェ」は、高級果実として贈答品や料亭用に需要が高い。同会会員の中村さんは、この洋ナシを3年ほど前から年間通じて味わってもらおうと、缶詰の開発に着手し製品化に成功した。現在、包装袋も考案し、実用新案登録の申請中である。また、同会は後継者がなく廃業寸前の酒蔵を市民株主によってみごとに復活させた。8人で始めた市民株主は、現在資本金を2千万円増資している。この市民の力による酒蔵再興のニュースは、新聞やテレビで大きく報じられ、土産物として購入する市民が増え、市内のレストランなどからも地酒の注文があいついでいる。 この会には、会則も名簿もないが、異年代の仲間たちが自由に語り合い、人と人との出会いを大切にし「越後しろね」を盛り上げるための「地域おこし」に情熱を傾けている。 |