「ふるさとづくり'95」掲載
<市町村の部>ふるさとづくり振興奨励賞

レクリエーションと人形劇のカーニバル
香川県 大内町
 香川県大内町では青年団などが開催した交流会での、人形劇公演から青年たちがカルチャーショックを受け、昭和60年「レクリエーションと人形劇のカーニバル」から始まり、毎年さまざまな人形劇公演を企画するようになり、町も積極的に援助してきた。住民の関心も高まり、専用劇場の建設、人形劇サークルの結成など、新しい地域文化が育っている。


10回目を迎える人形劇カーニバル

 11年前、町内のレクリエーショングループが県内関係団体と交流する場として開いた「夢渡し人の集い」のゲストに呼ばれたのが人形劇団。公演を見た青年たちは「人形劇は子どものもの」と思いこんでいたが、大人も目を輝かすのを見て感銘を受けた。そこで翌60年、青年たちの夢を集めて第1回のカーニバルが開かれた。観劇者数1500人になり、人形劇を中心に歌、ゲームなどのレクリエーションで会場全体が交流の場となった。地元からも郷土料理の提供など温かい手がさしのべられ、人形劇団と地元住民の交流も生れた。
 こうした動きに励まされ、毎年さまざまな企画を加えたカーニバルが開催されてきた。外出の劇団も招待したり、他町村の劇団との交流も生れてきた。さらに、マスコミも注目してくれるようになり、テレビ、雑誌等で紹介される機会も増え、全国にも知られるようになった。こうなると、青年たちの活動だけでは限界も見え、町と相談、学校・団体、有志にも参加を求め、実行委員会が結成され、町も支援することが決まった。


人形劇場「とらまる座」のオープン

 公演会場は、子どもから高齢者まで身近に観劇できるように、全会場共通のワッペン方式を導入、近くの公民館や神社での分散公演が行なわれていた。そうした時、ふるさと創生1億円事業が始まり、住民にその使い方を聞いたところ、拠点となる人形劇場が欲しいという意見が寄せられ、その結果「とらまる座」という快適で質の高い、親しみやすい文化施設としてオープンした。
 平成6年度には10回目を迎え、これまでの成果を総括、今後のあり方を検討する年となった。より幅広い動きにしていくために友好市町村の子どもと地元劇団との交流、また、出前公演、野外での大道芸や童謡コンサート、商店街のショーウインドーで文楽人形などの展示が行なわれた。遊び心は文化を生み出すことを実践した同町住民は人形劇のまちとして文化の醸成と育成をさらに続けている。