「ふるさとづくり'95」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

藤と鹿島の里づくり
秋田県湯沢市 岩崎住民会議・藤と鹿島の里プラン会議
 秋田県湯沢市の「岩崎住民会議」(代表・岩井川正雄さん、代表委員20人)と「藤と鹿島の里プラン会議」(代表・石川恭介さん、メンバー80人)は、藤公園づくりや「能恵姫像」を建立するなど藤と鹿島の里づくりを進めている。


4大事業が同時に開花

 平成6年の春に岩崎地区で大きな3つのイベントが行われた。1つは「藤の千年公園」復活を願った「藤まつりの夕べin千年」、2つには地域伝説「能恵姫物語」に因んだ「能恵姫像建立除幕式」、もう1つは創作活動をしている「能恵姫竜神太鼓」のみなさんによる「一番太鼓」の披露である。3年前から取り組んできた「岩崎郷土伝承かるた」も完成した。
 「藤と鹿島の里づくり」を掲げて「藤と鹿島の里プラン会議」が結成されたのは平成2年の暮れのこと。それから4年目の春に、手がけてきた4大事業の花が時期を同じくして咲き始めた。


徹底した話し合いと実践活動

 岩崎地区民の憩いの場である千年公園はその昔、藤の名所だった。住民会議が「藤の千年公園」復活に取り組んだのは昭和61年から。前年に開いた「第13回住民のつどい」の中で出た声がきっかけだった。早速「千年公園に藤を甦らせる会」を結成し、3年計画で藤棚を3基作ることを決めて、地域全世帯に寄付の協力をお願いした。市にも助成をお願いした。
 藤棚つくりの作業も、各町内から3〜5人の協力で順調に進み、昭和63年に、計画通りの高さ3メートル、幅6メートル、長さ21〜36メートルの棚が3基完成した。その後は、市の全面的な援助を受けて2基増設し現在、5基完成している。このうち先に作った3基にはすでに花を付けており、藤まつりの開催となった。半世紀ぶりの藤まつりは約600人の人出で賑わった。藤まつりは、今後も毎年開催し、地域全体の誇りあるイベントとして大きく育てていきたい、それは地区民の共通の願いである。
 岩崎地区は人口2000、世帯数540。昭和45年から地域づくり活動は続く。昭和45年にできた「千年友和会」は、話し合いによる地域課題解決の活動が認められて、昭和48年に「あすの地域社会を築く住民活動賞」を受賞した。受賞がはずみとなって昭和50年に「岩崎住民会議」が発足。「岩崎住民会議」は対話集会「住民のつどい」を毎年開いている。昨年で21回を数える。地域課題はこのつどいで話し合われている。