「ふるさとづくり2004」掲載
<企業の部>ふるさとづくり賞 振興奨励賞

人と環境にやさしい商店街
東京都北区 霜降銀座栄会(環境部)

 私たちの霜降銀座は、東京都北区の南端に位置し、JR山手線駒込駅から歩いて5分のところにあります。道幅3〜4メートル、全長250メートルの間に商店60店舗が軒を並べている昔ながらの商店街です。
 1999年6月、商店街の企画部の会合に書記担当の主人の変わりに中村(レポート執筆者)が参加したときに、商店街のフェイスアップという事業に関わりだしました。女性の意見がほしいというみんなの意見に、女性1人では心細いということで、紅茶屋さんの鬼沢さんも誘ってスタートです。メンバーのみんなで話していくうちに昔懐かしい商店街なのだから、「人と環境にやさしい商店街」という方向を決めていったらいいのではないかということになりました。主婦としてもとても関心があることでした。「人と環境にやさしい商店街」といっても、まず何をしていったらよいのかと、悩んで北区のリサイクル生活課に相談に行ったときに「富士見橋エコー広場」を紹介され、そこでいろいろなアドバイスを受けスタートしました。


エコアップ宣言

 まず一番初めにしたことが、これからの取り組み目標を決めることでした。
@商店街でオリジナルの買い物袋(ペットボトルの再生エコペット使用)を作成し、消費者に提供し、買い物のとき常時使用してもらうように取り組む。
A簡易包装、量り売り、ばら売りを推進して、包装紙、買い物袋、食トレー、ラップなどの削減に取り組む。
B消費者に、修理・修繕を推進する。
C環境に関する情報を商店会員、消費者に定期的に提供する。
Dゴミの分別の徹底により、廃棄物の減量化とリサイクルの推進を図る。
 以上のことを商店街の会員の方たちに意識を持って守っていってもらおうと、ちょうど東京都の「エコ・アップ事業所東京宣言」という環境に配慮した事業活動に取り組むことを宣言するということが実施されていたので登録しました。上記のことは今も変わらず続けています。


環境部として独立

 はじめは企画部の中で活動していたのですが、女性2人で環境部として独立しました。スタートにあたって、長く続けていくために無理はしないでいこうと決めました。中村も鬼沢さんも環境にやさしい生活を意識していましたが、それを商店街のみんなに説明してもらうにはどうしたらいいか悩みました。婦人部のみんなの協力を請けて仕事をしています。商店街の会員の方たちに「人と環境にやさしい商店街」ってどういうことをしていくの、と聞かれたときに「昔ながらの商売の仕方をしてください」と説明し、また「昔ながらの商店街」として進めていくこととしました。


しーちゃんエコバッグを製作

 北区西ヶ原という街が大好きで地元を大切にしていこうと活動しているのですから、エコバッグを作るときも北区の業者を探し、ちょうどペットボトルの再生生地で作ってくれる業者を見つけオリジナルのエコバッグを作りました。
 商店街のキャラクターしーちゃんをタックに付け、色はキャラクターの色でもあり元気になる色、オレンジにしました。エコバッグの使用者の方に会員登録をしてもらい、エコバッグを持ってお買い物するとサービス参加店の各店独自のサービスが受けられます。会員の抽選会をしたりもしています。現在530名の会員の方がいます。


資源回収をスタート

 リサイクル活動開始も、北区は23区のうちでは早くから環境活動に取り組んでいたため、みんなの理解がありました。はじめに回収し始めたのが、古着&古布・使用済み電池・使用済み切手&プリペイドカード・プルトップ・ベルマークです。中村・鬼沢さん・会員の方がすでに個人として行なっていたことを商店街で行なうことにしました。
 古着&古布は仕分けして用途別にボランティア活動やエコー広場に寄付し、残りと使用済み電池は北区のリサイクルに渡しました。使用済み切手とプリペイドカードは海外の子どもたちのために活動しているボランティア活動に、プルトップは近所の障害児の保護者の会の方たち、ベルマークは近所の小学校に寄付しました。(残念ながら現在は倉庫が使えなくなったことで古着&古布の回収と区が回収をやめてしまったので電池の回収は行なっていません。)
 使用済み割り箸の回収は、商店街でお客様に容器の持ち込みと食事に来たときマイ箸を使用してもらおうとしたとき、商店街の飲食店の半分はラーメン屋さんと日本蕎麦屋さんで、割り箸じゃないと食べにくいねということで、使用済み割り箸を、製紙工場が紙の原料として回収しているということで回収し始めました。
 使用済み陶器の回収も実験回収のお話があり始めましたが、陶器を作る土は何万年もかかってできた大切な土ということで、そのまま続けています。商店街でゴミとして出るものを再利用することにもしました。お豆腐屋さんのおからで作るクッキーはイベント時に作ります。環境部の名物になりました。喫茶店のコーヒー殻・紅茶屋さんの紅茶&ハーブティー殻で消臭剤や肥料として使ってもらっています。


量り売り・ばら売り・修理のできる店

 昔ながらの商店街ということでは、量り売り・ばら売りは環境にも人にもやさしい方法であるので続けていってもらっています。買っていただいた商品はできるだけ長期間使っていただけるように各店修理も心がけてもらっています。

しーちゃん情報掲示板
 商店街の中央の商売をやめてしまわれた店のシャッター6枚分を使った情報掲示板があります。商店街のキャラクターしーちゃん情報掲示板にはマップで各店を配置し、各店がチラシを使わなくてもいいように、売り出し情報や商品案内を掲示できるようになっています。商店街のイベント情報のコーナーやお客様のお知らせコーナーがあります。
 商店街の街路灯のフラッグも使い捨てにしないで、丈夫な素材で作りました。そこにも季節ごとにデザインされたしーちゃんが付いています。


ーマを決めて活動

 毎年テーマを決めて活動しています。商店街主催のウォークラリーや縁日のときにミニエコ展を開いたり、いろいろなイベントに参加したりして、いろいろな人たちとも活動しています。
 13年度はエコクッキング、北区の「おかみさん元気クラブ」と一緒にエコ料理コンテストに参加してゴミゼロの料理を作ったり、お料理教室を開催したりもしました。
 14年度は富士見エコー広場の勉強会に参加しました。ゴミ処理機で堆肥を作り始めました。クリスマスには、土を再生するというクローバーの種を配布しました。
 15年度は昔の環境です。前年度から活動しだしたウォークラリーのテーマが「江戸時代」ということもあり江戸時代の庶民の生活・リサイクルをテーマにしました。
 16年度は商店街で遊ぼうです。ウォークラリーのコースもちょうど商店街ということで、商店街はお買い物するところだけではないんだということで、子どもたち向けにリサイクル工作教室を開きました。牛乳パックでハガキやカード作り、余り布でカーネーション作り、チラシや包装紙でビーズのネックレスやストラップ作りをしました。「環境にやさしいお買い物をする人」のパネルも展示しました。
 活動を続けていって、いろいろな人たちと出会え、世界が広がった気がします。これからもいろいろな人たちと関わりながら楽しく続けていきたいと思います。