「ふるさとづくり2002」掲載
<集団の部>ふるさとづくり賞 振興奨励賞

青少年の健全育成活動 子育て支援活動
静岡県岡部町 岡部町青年サークル森のたね
 「岡部町青年サークル森のたね」は、今から約10年ほど前に青年学級や青年団、その他の青年が集まり発足しました。当初5人から始まった活動も、現在では第32回静岡県青年の船団員が中心となり12人のメンバーで活動しています。平成12年度までの主な活動は、自己成長につなげるための研修会の実施や野外活動、地域の子どもたちに夢を持ってもらいたいと思い、始めた、サンタクロースの姿でクリスマスプレゼントを子どもたちの自宅へ届ける宅配サンタの事業を行ってきました。しかし、これからは、自分たち内輪だけの活動ではなく、他の団体と連携し、もっと青年団活動に対して自信を持ってPRしたい! 岡部町民の皆様にもっと自分たちを知ってもらって応援していただきたい! という気持ちを持つようになりました。そこで、「岡部町民に愛される森のたね」を活動目標として、平成13年度がスタートしました。


他団体と連携した子育て支援始まる

 そのような時期に、岡部町内にある子育て支援グループである「みわ母親クラブ」の皆さんが私たちの活動を目にし、「ぜひ協力して子どもたちが自由に遊べる空間をつくろう」と声をかけてくださいました。このときから、今までの活動に加え、「みわ母親クラブ」と連携し、プレイパーク造りを目標とした、子育て支援活動が始まりました。
 平成13年度の主な子育て支援活動として、岡部町内にある内谷公園(約400m2)を中心に「子ども自身の責任」で遊ぶ場を定着させるための企画をしました。
 第1回「お兄さんお姉さんに遊びを教えてもらおう」と題し、ケイドロ(鬼ごっこ)、はんかち落とし、だるまさんが転んだ、など昔からある遊びを子どもたちと行いました。参加者80名(子ども60名、大人20名)、最初の声かけ事業であったため、不安もありましたが大勢の子どもたちが来てくれて、みんな楽しそうに遊び、笑顔で帰っていきました。
 第2回「お兄さんとお姉さんと遊ぼう」では、50名以上の子どもの参加がありました。この回では、ドッチボール、ザリガニ探し(公園脇にある小さな川へ入った)、水遊び(家庭用プール)などの遊びのほかに、七夕飾りを子どもたちと一緒に行うため、子どもたちにもナイフの使い方を教え、怪我をしても自分の責任という意識を伝えました。
 第3回「スッパマン先生と遊ぼう」(富土の国プレイパークから先生に来ていただいた)でも50名以上の子どもの参加がありました。このころには、木を削ったり、砂遊びをしたり、子どもたちにもガキ大将が出はじめました。しかし、失敗をなじったり、いじめるようなことはなく、みんな仲良く遊んでいます。小さい子の面倒をみる子も見受けられるようになりました。スッパマン先生による子どもたちへの手ほどきが、青年サークル森のたねのメンバーにも学習になった1日でした。
 第4回「みんなで焼き芋大会」では、初めて火が登場し、農家の方から提供していただいたサツマイモを焼いて食べました。有志のお父さんお母さんも手伝ってかまどの作り方を教えてくれました。みんなで分け合うことも学びました。裸足や木登りをする子がいても、大人がむやみに止めることもなくなり、徐々に、子どもたちが自由に遊べる場をつくっていきました。
 この活動は、「たねっこクラブ」と名がつき、月に2度子どもたちの間でも定着してきました。さらには、荒れていた公園にゴミがなくなり、人が集うようになってきました。「みわ母親クラブ」と「青年サークル森のたね」だけで企画し開催してきたこの事業が、回を重ねるごとに、町内のお父さんお母さんの有志も加わり、地域が一体となって「子どもの責任で遊ぶ場」をつくっていくようになりました。このような取り組みは、子どもを持ったことのない「青年サークル森のたね」のメンバーだけでは実現できないことが多くあります。「みわ母親クラブ」との企画と運営までの連携、有志のお父さんお母さん地域の人々、学校や保育園、幼稚園の協力がなければここまで実現できなかったと思います。常に活動する中で、「青年サークル森のたね」のメンバー各々にも気づきや学習の場面が多くありました。


町民に愛される「森のたね」目指し


 新たな年度を迎え、「青年サークル森のたね」のメンバーも気持ちを新たに活動しようとしています。「子どもの遊び場づくり」では、今までの内谷公園での遊びのほかに、プレイパーク造りを目標に会合が持たれています。また、9月に開催される第48回静岡県青年祭文化部門の主管団体に決まり、これまでの人脈と経験を生かし、岡部町内にこだわらず、静岡県内の様々な地域の人々が異世代交流をしながら楽しめるお祭りにしようと夢を抱き、計画進行しています。その他にも、今まで行ってきた自己成長のための研修会、野外活動、他の青年団体等との交流や、昨年から始めた24時間テレビ自主募金活動、子どもに夢を与えられるような事業にも力を入れ、13年度当初に考えた「岡部町民に愛される森のたね」を目指し、今まで以上に地域の人々との交流を大切にした活動を行っていく予定です。