「ふるさとづくり2001」掲載
<市町村の部>ふるさとづくり振興奨励賞

市民協働による地域プランづくり
神奈川県 横須賀市
 横須賀市は、市民とのパートナーシップで「市民協働によるまちづくり」を推進している。平成11年度は「鷹取川ゆめプランワークショップ」をモデル事業として実施した。鷹取川は、自治会中心の「川をきれいにする委員会」がクリーン活動、女性団体「追浜地区まちづくり探険隊」は川再生の提案づくり、「追浜中学校科学部」の水質調査等で実践活動をしていた。
 市は、これらの団体が協力し、鷹取川をきれいにするプランをつくり、それに基づく協働活動や既存の活動を有機的につなげるという観点から、ケーススタディ地域とし選定した。


鷹取川ゆめプランワークショップ

 このワークショップは、市が鷹取川に関する活動や地域づくりを実践する団体、周辺の学校に呼び掛け、同年7月開始。
 まず、参加団体の自己紹介でスタート。地域の歴史を学ぶ、流域の現状問題点の把握、市民の川に対するゆめ収集等を行いゆめを実現する「鷹取川ゆめプラン」行動計画をまとめた。
 その行動計画は、川のクリーン活動の実践、同計画策定、全体整備計画づくり、ブイの設置、ゴミ止め網の設置、学校に対する広報活動の実施、川観察会の実施、PR活動とイベントの計画・実施、鷹取川センターの運営検討の9項目となった。
 市民主体のプランづくりは、市民も行政もその手順や合意形成の手法を学び、これまで、接点のなかった地縁型コミュニティとテーマ型コミュニティが、互いに活動を理解し協力態勢が見られ、今後の活動に好影響を及ぼすものと期待できる。
 また、ワークショップに参加した、追浜小6年の子どもたちはプランづくりを行い、川に面した校内花壇の整備や川の清掃活動を実践。この活躍で大人たちは感動、行動計画に反映した。
 今年4月、ワークショップの結果を地域にアピールする「鷹取川ゆめウォークラリー」を開催。これは、ワークショップ参加者や追浜小の子どもたちで行った手づくりのイベント。同6月「鷹取川ゆめプランナーの会」を設立、行動計画を役割分担し実践。市は、追浜行政センターが事務局としてサポート。これまでのハード整備から、市民自治基盤の「市民協働によるまちづくり」の新たな展開を見、今後も一層進めて行く。