「ふるさとづくり2001」掲載
<市町村の部>ふるさとづくり振興奨励賞

グリーンロードでふれあいのまちの実現に向けて
東京都 小平市
 都心から西に26キロメートル、武蔵野の面影が残る人口17万の小平市では、市の基本計画「緑と活力あふれるふれあいのまち小平」を策定し、市内を流れる野火止用水・玉川上水・狭山境緑道の3つの水の道を結ぶ、市内1周緑道(グリーンロード)を中心とするまちの活性化を、官民一体で進めている。
 平成7年9月、市職員によるプロジェクトチームを発足。翌年9月、市民と協働、自然との共存など6つの柱からなる報告書をまとめた。市民との協働を基本におく推進組織では市民各層に諮り、平成10年4月、小平商工会やJA東京むさし、一般市民が中心になって「グリーンロード推進協議会」を設立した。


名産品開発・健康づくり・自然観察など活動は多彩

 協議会は、花祭りやホタルの夕べ、地域夏祭り、収穫祭などのイベントや野草ボランティアの育成、観察会の開催などを計画。市はPRやグリーンロードマップ、看板づくりとともに、活性化研究事業で、職種別組合に新名産品の開発を呼び掛けた。
 その結果、和菓子組合は市鳥のコゲラの名を冠した饅頭、洋菓子組合は地元の特産ブルーベリーを使ったクッキーサンド「菓夢菓夢」、ふんわりしたケーキの「小平の夢ちゃん」をそれぞれ開発、いずれも人気があるという。麺類組合では、伝統の味「糧(かて)うどん」の復活を宣言した。また、組合38店舗でグリーンロード「麺紀行」スタンプラリーを始めた。酒販組合青年部では、玉川源流水を使い「小平麦酒(ビール)」と、小平産のぶどうで作ったワイン「小平葡萄浪漫」を売り出した。
 グリーンロード活性化事業が、スタートして2年を経てみて言えることは、多くの団体や市民活動の動機付けや起爆剤になり、予想外の嬉しい協力があったことだ。シルバー人材センターや健康づくり推進委員会では、ガイドに健康づくりにと、積極的にグリーンロードの活用を奨励している。
 野草を守る会では、野草観察ゾーンの自主管理と保護に、また、学校ぐるみのグリーンロード清掃、毎朝の散歩の際などのゴミ拾いにと、各地で自主的に実践されて、自ずと地域にふれあいが生まれている。小平市にとって、この貴重な資産・グリーンロードが、21世紀の町づくりの原点となっている。