「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

アイランド・ソルジャーを目指して
鹿児島県中種子町 種子島アクションクラブ
 都会へのコンプレックスの中で暮らしている若者たちが、種子島でも楽しく生活したいと、平成8年「種子島アクションクラブ」(代表・高磯勝俊さん、メンバー数・20人)を結成。若者たちは「種子島オリジナル・ヒーロー・プロジェクト」を誕生させ、郷土に根付いたオリジナル・ヒーローを創作し、公演活動を行う中で、島の文化や風土を改めて学び直し、島の活性化を図っている。
 この創作と公演活動には、演劇・造型・音響・アクション殺陣等、様々なジャンルの技能が必要だが、指導者もなく全てメンバーの知恵と情熱で、離島のハンデを克服してマスターした。
 島には、島の創造主・雄龍雌龍神の伝説があり、この神が人々に夢や希望を与えるため、北の蒼青・中の赤紅・南の黄金と3戦士が遣わされ「離島戦隊タネガシマン」と呼ばれるようになった。これはプロジェクトが伝説に基づき創作したもの。
 そして物語を設定。悪役に「ジャバッチェ」(方言で「が、しかし」という意味の否定語)、わがまま心の持ち主。隊長は「スワブリン」(なめて吸い込む)。総大将は「ジャスロウ皇帝」(「やっつける」の方言)。この怪人は自然破壊や過疎化を招いた。
 一方のヒーローは「離島戦隊タネガシマン」と命名。西之表市の鉄砲伝来にある悲劇のヒロイン・若狭姫の涙から誕生した「タネガ・ブルウ」、中種子町のマスコットのスマベニチョウから「タネガ・レッド」、南種子町は米の発祥地で「タネガ・イエロウ」の3人。島の問題を力を合わせて解決する物語である。


離島のハンデを克服しデビュー

 物語設定後作業開始。しかし、マスク造型や衣装生地等を島外で購入、離島の不便さを痛感。脚本制作では、3市町の長所や短所等、観光パンフ以外は全く無知、何とか環境問題をテーマに制作。音響効果は、メンバーの1人が、機器を揃えオリジナル・テーマまで創った。演技面での殺陣は、大きな要素で町内の武道家に手ほどきを受けた。昨年8月、デビュー。悪役怪人が「島を汚し壊したのは人間どもだ」の台詞。タネガシマンは「人間は島を大切にしていく」の決め台詞に拍手喝采。現在は8作品、グッズ制作等、活発な活動を継続している。