「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

在宅高齢者のボランティア
島根県桜江町 さくらえいきいきワーカー
 人口の減少と高齢化(37%)が進む桜江町。町と町社会福祉協議会では、平成4年度から7年間「町民はみんなホームヘルパー」を合言葉に、3級ホームヘルパー養成研修会を行ってきた。この第1回研修会の修了者で、資格を取得した44人が、高齢化社会を安心して暮らすには「地域の支えが必要」と、平成5年「さくらえいきいきワーカー」(代表・中島榮子さん、メンバー数・204人)を結成、家事援助や介護サービス、「ふれあいサロン(ミニデイサービス)」活動を展開している。
 3級ホームヘルパー研修は、福祉概論や調理実習、施設実習などを6日間、40時間受講する。2回目からの受講者も多く、現在ヘルパーの数は、住民の18人に1人にあたる。
 同会は、平成6年9月から「あんしん・ねっと・さくらえ」を新たな制度でスタートした。これは、家事や介護で困る時に、町民同士が互いに助け合う、会員方式の助け合い制度で、サービス内容は、食事づくり、買い物、洗濯、掃除、子守、留守番、話し相手、入浴介助、病人や心身障害者のお世話、簡単な庭の手入れや草取り、簡単な住居の修繕などである。
 困った時、気がねなく、気楽に利用できるよう1時間450円と有償であるが、あくまでボランティア心での活動である。


ふれあいサロン(ミニデイサービス)

 ふれあいサロンは、在宅独居老人や体の不自由な方を対象に、集落ごとの集会所など25か所で行う、公的施設のデイサービスに匹敵する予備軍に対するサービスである。参加者が歩いていける場所で、住民と参加者の共同企画で運営し、楽しい仲間づくり、心の安らぎと生きがいの拠点となり、人気も高く利用者が増えている。
 さらに、公的サービスを必要としない元気老人も対象に、生きがいづくり、独居老人のストレス解消や楽しみに、季節に合わせ、花見、蛍狩り、月見、運動会など様々な催しを通して交流を深めている。これまで、他人が家に出入りすることに抵抗があった高齢者も、会の活動に参加し、人間関係のつながりで抵抗感が薄れてきた。幅広い同会の活動によるところ大である。