「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

環境保全活動によるふるさとづくり
大阪府八尾市 八尾の川を考える会
 平成3年、市の生活排水対策重点地区の指定を受けた高安西地区の住民は、台所からの雑排水浄化に努力、恩智川のBODを2割削減した。その後、支流の郡川に平家ホタルを取り戻す木炭浄化施設の設置に協力、上・中・下流域の3小学校区の子どもたちを中心に「郡川ホタルサミット」を開催。そして、ホタルやトンボが生きられる環境の保全、八尾のまちが子どもたちに良い「ふるさと」になるよう、水辺環境を見直す住民中心の「八尾の川を考える会」(代表・松村定雄さん、メンバー数・160人)が平成6年に発足した。
 同会は、郡川ホタルの夕べ開催、やおホタルキッズ(子ども会)を発足、やおトンボたんけんマップの制作や地域を越えたこども環境会議を開催するなどの活動をしている。
 平成7年6月、美しい川のシンボルであるホタルを観賞し、川が人間の暮らしにつながっていることを実感してもらおうと「郡川ホタルの夕べ」を開催、1000人の親子が集まり、初めて見るホタルを不思議そうに見守る子どもの姿が印象的だった。
 平成7年2月には、水に住む生き物をテーマに「うちわ絵」作品60本を、西宮市に展示予定のところ、阪神淡路大震災で中止になっていた。「やおホタルキッズ」(こども会員・500人)を発足させ、西宮市と心の交流を図ることを考え、励ましの言葉を添えた「うちわ絵」を募集、85本を同年7月、22人の親子が同市に届けた。震災被害を目の当たりにし、自然の恩恵と命を奪う怖さを体験するとともに、被災者を励ました。


地域を越えて継続した活動

 西宮市との交流後は、大津市安曇川源流探険の交流学習に、大津・西宮・八尾市の子ども102人が参加、琵琶湖の恩恵を肌で感じ、源流で生き物調査や水源地の自然の威力を体験した。この経験後、子どもたちの発想で「やおとんぼたんけんマップ」を手作りで制作、完成した。制作には、環境庁の「こどもエコクラブ」や市内29小学校の協力を得た。
 また同会員の努力で「地球となかよくなるために」をテーマに「こども環境会議」を開催、大津・西宮・八尾市の子どもたちがトンボ中心に意見交流。地域を越えた活動を継続中だ。