「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

市民主導による循環型社会の実現
埼玉県志木市 エコシティ志木
 志木市では早くから自主的な市民参加の風土があり、暮らしや環境問題について市民団体が行政と協働してきた事例が多い。また、一般公募の市民を含めて構成される市長の任期制諮問機関も昭和62年から続いている。平成7年に誕生した「エコシティ志木」(代表・毛利将範さん、メンバー数・110人)は誰もが主役になれるワークショップによる学習と参加によって問題意識を共有し、実践と結びつけて行動する環境市民団体である。


市民会議による「志木市環境基本計画」策定

 同会は市民参加による循環型社会を実現させようと、テーマごとに何回もワークショップを開催、3年がかりで「市民がつくる志木市の環境プラン」をまとめあげた。これを受けた市は公募市民のみで構成した環境市民会議を招集して、環境基本計画づくりに着手した。作業は市民会議の提出したプランに市側が意見を付してフィードバックする方式で進められ、10か月かかって、ついに平成11年、市民会議による「志木市環境基本計画」が策定された。策定作業が最後まで市民主導で行われたことは広く注目を浴び、その的確な策定に至る提言手順には「エコシティ志木の活動を知るのが遅かったのが悔やまれる」との声があったほどだ。
 同会は「水と緑」「ごみ・エネルギー」「保険・福祉」「まちづくり」の4つの部会を中心に活動。それぞれに2人のまとめ役を置くが、個々のプロジェクトはやりたいと言い出した人を中心に次々と立ち上げる柔軟なシステムだ。ワークショップと同じく参加する誰もが主役になれることが同会の特長である。
1.農具資料館再整備…伝統的な循環型の農業に学ぶため、旧家に保存されていた農機具などを系統的に展示保存している。
2.いきいきサロンの運営…市に要望し、地区の小学校内に高齢者向けのいきいきサロンを開設。ボランティアを公募し、自主運営・管理している。
など現在17のプロジェクトが行われている。これらは常に行政や他の市民団体、流域との協働により、より実効のある活動へつなげることを心掛けている。