「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

地域に根を張るリサイクル運動
群馬県前橋市 南橘リサイクルの会
 「南橘リサイクルの会」(代表・新井榮一さん、メンバー数・35人)は、活動範囲を南橘地域に絞り地域に根を張る運動を目指し、住民3万8000人を対象に、地道なゴミ減量活動を続けてきた。


企画・立案は専門部で

 南橘公民館環境講座を受講した人たちが同会を発足させたのは平成4年。地域でこつこつとリサイクル意識を高めてきた。
 一方で同会の活動は機敏。運動を始めてみると、みんながただ集まってワイワイやっていたのでは効率的な仕事ができないと判断。さっそく翌5年にリサイクル部、情報部、リフォーム部などの専門部をつくり、企画・立案などは各部を中心とする体制に改めた。
 リサイクル部は資源ゴミの回収、廃油せっけんづくりなどを担当。市や行政に先駆けてビン・缶・牛乳パックなどを分別収集してきた。これらの回収を行政や企業が行うようになると、新たにポリエチレン・ポリプロピレンの回収を開始した。再生できない塩化ビニルなどとの分別協力を住民に呼び掛け、徐々に回収量は増加。「判断できなければまず持ってきて」というきめ細やかさが住民の支援協力を喚ぶのだろう。年2回の不要品交換会、年1回の「市民・行政・企業によるパネルディスカッション」も行っている。
 情報部は会報作成(約1600部発行)やアンケート調査などを担当。家事や勤めのある中で最新情報をキャッチして紙面に活かしている。地域の小中学校での環境教育の紹介、学校と家庭、地域の連携にも取り組んでいる。
 リフォーム部は、工夫して楽しみながら、使わなくなったものを再び使う活動を担当。古傘の布を使った手提げ袋、祝儀の水引を使った正月飾りなどをつくる教室を開催している。
 有価物の回収などの取り組みを、どこよりも先駆けて同会は行ってきた。その実績が評価され行政や業者が続いたこと、これは同会の誇りであり、次の活動へのエネルギーとなっている。これからも地域に根を張った運動を続け、徐々により広げていくことが今後の目標だ。