「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

綺ら輝ら喜らら ときめきロード
北海道朝日町 南朝日イルミネーションを灯す会
 「過疎の地に灯りを」と各家庭の庭先にアイデアを凝らした手づくりのイルミネーションを点灯し、雪深い山村にほのぼのとした温かさを醸し出しているのが「南朝日イルミネーションを灯す会」(代表・藤田実さん、メンバー数・36戸)の活動である。


みんなの心にイルミネーションを灯そう

 朝日町は北海道のやや北に位置し、天塩川の最上流、周囲を山岳森林に囲まれた人口2000の過疎の町である。南朝日地区はかつては農業を中心に、冬季間は林業で栄えた地区で、壬子小学校を中心としたコミュニティが形成されてきた。しかし近年の過疎化により地区住民の拠り所であった壬子小学校は平成3年に休校、平成9年には廃校となった。
 思い出のまなびやをいつまでも心に灯そうと、公民館分館長の呼び掛けに10戸の有志が集い、平成2年12月に各家庭でイルミネーションを点灯したのが始まりである。その取り組みは地区の人たちの心を一気に動かし、翌年には地区全体での取り組みとなり、同会が結成された。さらに地区外の人の評価も得たことから「それなら町道愛別線沿道をイルミネーションでつなごう」と、隣接する地区に呼び掛けた。こうしてできたのが「綺ら輝ら喜ららときめきロード」で、現在12月のクリスマスシーズンから1月下旬にかけて、約50基で11キロメートルに渡ってイルミネーションを点灯している。
 平成8年には朝日町で開催された全道中学校スキー大会歓迎用のイルミネーション製作を依頼され、中学生と一緒になって大きなイルミネーションを製作した。これが地域と学校との連携を深めることとなり、地域に愛着と誇りを持つ子どもたちの育成に一役買うこととなった。以来、朝日中学校では毎年、干支をかたどったイルミネーションが製作されるようになった。
 イルミネーションが製作され始めるのは11月末から。凝ったもの、大きなものでは製作に2週間以上もかかり、家族総出の作業が続く。親子でアイデアを出し合い、一緒に楽しむ風景は現代社会において心の安らぎである。いつかこの安らぎのロードを天塩川の流れに沿った下流天塩町までの256キロメートルにまで伸ばそうと、同会は取り組みを続けている。