「ふるさとづくり2000」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

かけがいのない命と地球を守ろう!
愛媛県新居浜市 リサイクルハウス・エコーひまわり
 「かけがえのない命と地球を守ろう!」「持続する社会の構築」−−をテーマに、年間動員数20000人を目標に消費者運動を展開しているのが、愛媛県の東部・新居浜市の「リサイクルハウス・エコーひまわり」(代表・原綾子さん、メンバー数46人)だ。資源を有効に活用するフリーマーケットや「おばあさんの知恵袋・エコキッチン」を冊子にまとめて大きな反響を呼ぶなど、「念じれば花開く」を信条に活動を続けている。


年間動員数20000人を目標にして

 長い活動歴を持ったグループは、平成8年4月、活動拠点となるリサイクルハウスのオープンを期に、現在の「リサイクルハウス・エコーひまわり」とした。このハウスを始め、外部の施設で活動するグループは、社会に影響力を持つ活動にしたいという願いから、年間動員数『20000人』の目標をたてた。こうして10年度、リサイクルショップやフリーマーケット、展示会などに足を運んでくれたり、集会や講習会などに参加してくれた人びとを対象に積み上げた数字は、遂に動員数20000人を突破した。市の人口の6分の1に迫る数字だった。もっともこの数字は延べ数だから、実際には市民の6人に1人とはならないが、いずれにしろグループは1つの大きなハードルを超えた。
 グループ活動の質の向上を目指して、全国的な集会にも参加している。平成8年から毎年、国民生活センター主催の「全国消費者フォーラム」に参加して発表したり、昨年は「消費者神戸会議」で、商品テストやアンケート結果などを披露した。


反響呼んだ冊子「おばあさんの知恵袋」

 昨年から取りかかっていた「おばあさんの知恵袋・エコキッチンQ&A」が、今年の4月、やっとの思いででき上がった。小冊子だが、メンバーの汗と知恵と熱い思いが詰まっていた。初め500部刷り、すぐ後200部を増し刷りしたが、この冊子の発刊を期に、グループは今までとは違った社会のうねりを実感した。
 冊子の影響で、保育園や中学・高等学校、生涯学習大学の先生など、学校関係者にうねりが広がり始めた。また、公民館や他市町村のグループから講演の依頼がきて、4月以来、すでに1000人を超す受講者の予約があった。地球との共生のために必要なエコキッチンの考え方が広がり始めた証しで、気を良くしたメンバーたちは、一層の波及を期している。
 平成9年から取り組んでいる着物リフォーム「ニュースーツ」には、遠方から習いに来てくれる人もいる。しかし、全国から電話などで、本にまとめて欲しい、といった要望がグループに届くようになった。しかし、「おばあさんの知恵袋」から比べるとさらに難しく、出版費用などの問題もあって簡単ではないが、メンバーのリサイクル部長たちを中心に何とかやってみようと気を引き締めている。
 メンバーは、30年近い活動を振り返って、主婦の集まりで世間知らず故の失敗や迷いも多かったが、反面それを武器にして果敢に問題にアタックしてきた面もあった。アクシデントの後に、会員の隠れた才能が発揮されたり、新会員獲得に繋がったりして、そのたびにグループは成長していったのである。