「ふるさとづくり2000」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

資源ごみのリサイクルと地域環境の保全活動
京都府城陽市 城陽生活学校
 空き缶や空きびんを始め、クリーニングのハンガーやスカート吊り・ペットボトル・紙パックの回収等、資源ごみの分別・減量・リサイクルシステムの確立と、環境の浄化を唱え活動しているのが、昭和60年開設の「城陽生活学校」(代表・井出美佐子さん、メンバー数65人)である。
 はじめは、「もったいない」の言葉を心と形に現す実践であったが、今は、大型ごみのリサイクルに登録所を開設した活動にまで発展してきた。


リサイクルシステムの確立まで10年

 当時は、牛乳・ビール・酒等、すべての容器はガラスびんの時代で、街の至る所に捨てられ散乱し見苦しい状態であった。街の美化と「もったいない」の気持ちが、同志を募り「空きびん拾いの活動をしよう」と同校を開設し活動を開始した。
 それから、市内にある50軒余の酒店を訪問、空きびん回収用色別ドラム缶設置を依頼した。快く協力してくれたのは29店だった。この空きびん回収や色別投入方法をPRし、市民に周知徹底を図った。あわせて、ドラム缶の清掃や異物混入等の点検も行った。毎月2回、回収業者に引き取られ、年間30トンにも達し、資源の大切さを痛感、汗まみれになって活動した。
 昭和63年、京都で国体を迎えた年頃から、ビールや清涼飲料水はアルミやスチール缶に、牛乳や酒は紙パックの容器に変わるようになる。そして今度は、空き缶の散乱が目立つようになった。そこで、子ども会・老人会にも呼びかけ「資源の大切さ・環境の浄化」をスローガンに、空き缶の回収に取り組んだ。
 この、空き缶の回収量は、年平均5トンを上回った。同校が空きびん回収から10年、やっと、市が平成7年から、資源ごみの回収に踏み切った、同校の努力が実ったのである。


大型ごみのリサイクル運動

 同校が、次に取り組んだのは、スーパーと話し合いトレーの回収箱の設置。クリーニングのハンガーやスカート吊りのリサイクルを、製造会社に要請、取次店に回収ボックスの設置を実現。平成8年には、各スーパーや商店、回収業者との話し合いで、ペットボトルの回収も実現した。
 平成9年、地球温暖化防止京都会議の影響もあって、ごみの分別・減量・リサイクルが叫ばれ、市の対応も、燃えるごみ・燃えないごみ・資源ごみ(びん類・空き缶・牛乳パック・ペットボトル)の分別収集を徹底して実施するようになった。
 しかし、燃えないごみの中には、まだ使えると思われる家具類や自転車等が目につき、「もったいない」の思いに囚われ、この大型ごみのリサイクルに取り組んだ。「お宝さがし」に登録を!「頂けませんか・差しあげます」運動である。
 毎月10日、同校のメンバーが、JR駅前スーパーの駐車場に登録所を開設、希望者の登録を受け付ける。対象は、家具・家電製品・自転車類で、使用できる物品に限定、登録物品の内容をスーパー店内に掲示、時々新聞2社の協力で広告掲載している。この登録を始めて1年半、これまで80件余が成立、双方ともに喜ばれた。これからも続けて頑張ることにしている。