「ふるさとづくり2000」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
人口増を目指す地域づくり |
新潟県浦川原村 「下保倉地域づくり協議会」人口増チーム |
下保倉は、村の中心部に位置し地理的、経済的に割合恵まれた地域である。いずこも同じように、住民は物の豊かさを追い続け連帯意識は薄れ、地域活動に無関心であった。平成4年、新しい地域づくりを目指し、同協議会で、下保倉地域コミュニティ計画を策定した。この計画を実現する1つのプロジェクトチームが「下保倉地域づくり協議会・人口増チーム」(代表・大滝久之さん、メンバー数30人)で、平成7年から、行政とのパートナーシップを保ちながら、実現に向け活動している。 3年掛かりで策定のコミュニティ計画 同協議会が、3年がかりで策定したコミュニティ計画は、次の7項目からなっている。(1)地域的生活環境整備の促進(2)地域的文化行事の活性化(3)定住対策の推進(4)克雪対策の推進(5)農業経営基盤の整備推進(6)地場産業(観光)の育成と開発(7)冠婚葬祭の簡素化運動。 そして、各項目とも具体的な実施細目が列挙されている。人口増チーム担当の(3)定住対策の推進では、◎地域民の親しみの場(花壇・広場・集会所)整備、◎嫁婿対策に向けた意識啓発、◎農商業の活性化と企業誘致運動(収入の安定化)、◎国・県・村道の改修整備、◎宅地造成(人口流失防止策)、◎高齢者の1人暮らし解消(ボランティア活動の推進)、◎福祉医療機関の充実(医師の確保)、◎各年代毎の話し合いの場・または合同の場の設定、◎団体活動の育成支援、である。 まず住民の力でできることを実行 平成7年当時村の人口は、4915余で、村当局は5000人規模が一番効率的な政策と増加を期待していた。 下保倉地域は、少子・高齢化現象で人口は増えないが、戸数が年々増加し恵まれた状況にあった。幸い、雇用企業の多い上越市を目の先に控え、ベッドタウンも夢ではないと考え、まずチームの基本方針である、自分たちでできることは自分たちで実行、行政との競合は避けてをモットーに、活動を始めた。 最初は、地域の図面を片手に、遊休地や農地(農振地域か否か)の調査を行った。また、関係集落と将来の夢を語り合い、2年が過ぎた。ところが、平成8年暮れに、この地への定住希望者が出た。同チームは、土地所有者と話し合い、宅地を確保、翌年12月、3軒の住宅が完成、転入者の実現を見た。 そして、新しい住宅地への道路舗装と除雪、将来住宅団地に活用が可能な大光寺畑周辺への道路拡幅と舗装を課題に、村政懇談会を開き要請した。幸い首長の理解や関係課長の熱意で村道への格上も問題なし等、前向きに対処する旨の回答を得ることができた。 昨年12月、村民体育館前に、メンバー手づくりで、活動をアピールする看板を立てた。さらに、北越急行浦川原駅近くの国道沿いに、コミュニティづくり実践の掲示板も設置する計画である。 何よりも、地域の住民が、コミュニティ活動に理解を示し喜んで参加するまで関心が高まったこと。これが、行政とのパートナーシップの芽を育てた力で、人口増活動にもつながると努力を重ねている。 |