「ふるさとづくり2000」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

地球にやさしい生活にチャレンジ
福島県相馬市 生活学校「チャレンジ相馬」
 「地球にやさしい生活をしよう」「環境にやさしい相馬市を目指して」をテーマに、平成4年6月、30人のメンバーで発足した「生活学校チャレンジ相馬」(代表・須藤マサ子さん、メンバー数21人)は、再生紙利用の普及やリサイクルキャンペーン、フリーマーケットの開催などを柱としたごみ減量と資源の再利用促進や生活排水の浄化活動、行政へのアピールや市民へのPR活動などに精力的に取り組んでいる。


ごみの減量と再生紙利用をアピール

 ごみ減量に古紙リサイクルは欠かせないが、それには再生紙の利用が鍵を握る。そこで市内のスーパーや病院、公民館、市民グループなどを対象に調査を行った。結果は、トイレットぺーパー以外の再生紙は知らないため買わず、使っていないという回答が圧倒的に多く、なかには品質を問題とする意見もあったが、店頭に再生紙があれば買う、という人もかなりいた。
 調査の結果から、同校は、活動で行政や業界、市民に積極的にPRしていく必要を痛感し、平成5年7月、「再生紙利用普及のために」をテーマに、行政やスーパー、小売店、女性団体などが一堂に会して、対話集会を持った。この対話集会を契機に、市内のスーパーや小売店などで再生紙のトイレットぺーパーが並ぶ陳列棚のスぺースが徐々に拡大していった。
 市役所や学校などの公共施設も再生紙のトイレットペーパーに代えた。また、市の広報紙やコピー紙なども、当初は「検討してみます」と言っていたものを、今ではすっかり再生紙に代えるなど、活動の成果は確実に上がっている。


資源の有効利用から環境にやさしい活動へと幅広く

 資源の有効利用を狙いに、平成7年から市内の公園で「フリーマーケット」を始めて5年になる。年々盛んになり、本年度は出店数40と過去最高を記録し、市内はもとより他市町村からも参加や問い合わせも多く、お祭り気分の盛況となった。楽しみながら「ごみを減らして地球にやさしい生活を」という願いが、市民に浸透していることをメンバーは喜び合った。
 河川の汚濁が進む中で、市の生活排水対策推進委員会に同校からも2名出して、台所排水や堀、河川などの水質調査などに協力している。また、川の汚染の1番の原因と言われる生活排水では、台所のごみを除去するエコクッキングに目を向け、まず生活学校のメンバーから範を示そうと取り組んだ。その結果、公民館からエコクッキングの使用や効果などについて、市民にアピールする講演などの依頼を受けるようになった。
 米のとぎ汁は流さず、庭の植木やプランターの草花にかけ、野菜や魚は丸ごと食べる料理法を考え、捨てるところをゼロに近づけている。食器や鍋などの料理器具も、洗うのに洗剤を使わず、古紙・古布で拭き取る方法などを実践し、市民にもフリーマーケットなどを通じてPRに努め、水質汚染防止運動にも鋭意取り組んでいる。
 平成8年7月には、ラジオ福島から声がかかり、これまでの生活学校運動を紹介し市民にアピールすることができた。また、「環境フェア」などに出展したり、研修会への参加や講演会の開催などで研究も怠らず、運動の一層の進展に努めている。