「ふるさとづくり2000」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

はっぱの心であくしょん
宮城県山元町 山元町こどもエコクラブ「はっぱあず」
 海浜や深山緑地など自然豊かな地域で、子どもたちが自然観察やリサイクル、ボランティア、国際交流などの活動を通して、自分たちの住む町をみつめ、地域の自然や技、文化に触れ、ふるさとを学んでいこうと、平成七年六月に発足したのが「山元町こどもエコクラブ『はっぱあず』」(代表・新沼寿恵さん、メンバー数15人)だ。葉っぱが集まって地球と仲良くする活動をしていこう、という意図から名づけられた。


自然観察やリサイクル活動

 仙台湾海浜自然環境保全地域や深山緑地保全地域の県指定を受けている山元町は、自然豊かな地域だ。はっぱあずは、この地域の特徴を生かし、子どもたちが山登りや川などの探険を通して、体と心で自然と接する機会を多く持ってきた。活動では、変化する自然や植生、昆虫・水生生物採集などで歓声や悲鳴が沸き起こり、滴る汗、凝視するまなざしなど、子どもたちの生き生きした姿がいつも躍動していた。
 町民文化祭の際などに開いたリサイクル市では、幼児の頃遊んだ積み木を、赤ちゃんをおんぶしたお母さんが買ってくれたと顔を輝かせて大喜びする子どもや、また、はじめは恥かしがっていた子どもたちも、なれるにしたがって「まだまだ使えます。着られます。リサイクル市やっています!」と、大声で呼びかけるようになった。
 リサイクル市も、次第に内容が充実していった。初めの頃は会員の家庭から持ち寄った物品だけでスタートしたが、回を重ねるごとに品物を提供してくれる協力者も増えて、平成10年度には400点以上の品物が集まり、大盛況となった。売上金は、花の球根を買ったり、町の社会福祉協議会へ寄付したりしている。子どもたちはこのリサイクル市を「大変だけど、楽しい」という。そして、子どもたちの集まりなどがある度に、家に集めておいたアルミ缶や雑誌などを回収している。清掃センターを見学したことも、子どもたちに資源を大切にする心や資源ごみの回収に意欲を燃やす契機になった。


老人ホ−ムや環境浄化でボランティア活動

 子どもたちは、紙芝居やかるた、民話を練習して、老人ホームの訪問を続けている。お年寄りは、そんな子どもたちの訪問を心待ちにしていて、大変喜んでくれる。帰る時には、子どもたちとお年寄りが固い握手を交わしながら、心とパワーを贈り合っているかのようなところが、何とも心楽しい光景だ。
 町の実施する環境クリーンアップ作戦にも、4年続けて参加している。お盆で郷里に帰省するドライバーに、「交通安全」や「ごみのポイ捨て禁止」を呼びかけるのだ。この活動では、「ご苦労さま」と、快く答えてくれる人や黙っている人、迷惑そうな顔をする人──など、まさしく人間ウォッチングになっているという。子どもたちも笑顔になったり、こわ張ったりとさまざまだが、学ぶことも多いという。
 クリーンハイキングでは、草むらを掻き分けてごみ拾いをする。積み上げられたごみの山を見て、「何でこんなことをするんだ!」と、子どもたちも憤りをあらわにする。しかし、それだからこそ自然を大切にする必要性を、子どもたちは実感した。