「ふるさとづくり'01」掲載
<集団の部>ふるさとづくり賞 振興奨励賞

生涯現役をモットーに地域の魅力発見に努める
神奈川県横浜市 鴨居駅周辺まちづくり研究会・魅力つくり隊
 平成9年6月、横浜市緑区役所主催の「鴨居駅周辺まちづくり研究会」が開催され、区民16人がメンバーとなって、鴨居駅周辺の問題点に主眼を置き2年間検討会を行った。
 初年度の活動では、問題点のみ多く出たが街にある魅力(良さ)もPRする必要があるとの結論に至った。そして、次年度では「交通問題対策班」と「まちの魅力探し班」に分かれて活動することになった。
 平成10年、「交通問題対策班」は、課題 を整理し報告書にまとめ解散した。
 一方、「まちの魅力探し班」8人は、JR 鴨居駅を利用する東本郷・鴨居・竹山・白山の4町をエリア(47000人、緑区人口の30%)と決め、街の魅力の実態調査を行った。そして、街の魅力を知る事で、住んでいる所を「ふるさと」と実感できる人を増やすには、「魅力マップ」づくりが必要 であることを区に提案した。
 この2年間で、区役所の事業は終了したが「まちの魅力探し班」は、平成11年度から有志7人で、自主活動グループ「鴨居駅周辺まちづくり研究会・魅力つくり隊」を結成、発足した。
 それから、魅力マップを作成、街の魅力発見ウォーキングや地域歴史講座の開催、クリーンアップ作戦等を実践し、住み良い街づくりを目指して活動をしている。


魅力マップの制作

 同会魅力つくり隊は、定例会を年間12回開催すると共に、マップ委員会を6回開催、街の魅力実態調査と多くの住民から街の魅力情報をまとめて、魅力マップを完成させた。
 平成12年4月10日、「鴨居駅周辺の魅力マップ」完成発表会を、関係者を招いて開催した。
 魅力マップ、3000部の制作費は、区役所で負担、区役所や地区センター、コミュニティハウスで無料配布した。ところが配布後1か月でなくなり、区はさらに3000部緊急増刷りをした。しかし、それでも不足したため、メンバーがスポンサーを探し、フジカラーサービス社の好意で、さらに3000部増刷し配布している。
 その後、エリア4町連合自治会と協力して「魅力発見ウォーク」を開催したところ、参加応募者が130人となり、3回に分けて実施した。同会は結成後、地元の色々なイベントに積極的に参加し「鴨居まち研」のPRと魅力情報収集やメンバーの募集を行った。
 現在メンバー数は、38人となっている。イベントは、みどり・川と風の会主催の“川風フェスタ”に参加、ガリバーマップを展示したり、子どもに玩具作りを指導、また触れ合いや異世代交流では、子ども風祭り等でおもちゃづくり(竹トンボ・ビニール凧・ミンミン蝉・万華鏡)等を教えている。


クリーンアップ作戦と歴史講座の開催

 平成12年度から、街の美化活動として、鶴見川河川敷きのゴミ拾いと堤防の除草を年4回、川と風の会とともに実践している。
 また、エリア内での「ゴミの不法投棄)場所の実態調査とその対策に努力している。
 さらに、鴨居まち研講座を開き、地元の歴史に触れ、ふるさとを実感してもらうをねらいに、鴨居や白山の歴史を学んだ。そのふるさと歴史コースの天満宮を清掃したり、鳥居のペンキ塗り等の美化活動も実践している。
 一方、歴史を学ぶとともに、白山地区や鶴見川での自然と野鳥の観察会を開催したり、また、ふれあいや地元を知る、健康増進を狙いに行っているのがウォーキングである。
 このウォーキングは、エリア内で鴨居駅を始点にて、竹山、白山、東本郷、池辺、鴨池公園、歴史博物館等を中心に、年3回程実施し、人気ある行事になっている。
 こうした活動を、さらに活発にするため、シンボル「鴨居まち研キャラクター」を一般区民から募集した。これには、118点の応募があり、審査の結果、愛称は「カモピー」に決定した。カモピーとは、鴨居の「鴨」とハッピーの「ピー」から取った造語で名付けたものである。名付け親20人には、記念品を贈呈、白山地区センター祭り会場で発表した。さらに、「鴨居まち研」シンボルマーク入り布製旗を5本作製しPRに役立ている。
 これらの活動成果は、報道関係や機関で取り上げられ、神奈川新聞3回、みどり新聞5回、朝日エコー3回、タウンニュース3回に諸活動の内容記事が掲載され、鴨居まち研の知名度は向上しつつある。また、活動が認められ、(財)かながわともしび財団からの助成金を受けるまでになった。
 同会は、(1)心身が健康になり元気に活動できる仲間づくりに役立つ、(2)地域に馴染めない定年後の生きがい活動の場でもある、(3)地域活動は常に公平で楽しく皆が主役、(4)働き手の若い世代に負担を掛けない高齢者を目指す、(5)地域は生涯現役で活動出来、しかも経済的である。を特徴に掲げ活動を続けている。