「ふるさとづくり'01」掲載
<集団の部>ふるさとづくり賞 振興奨励賞

ミニ公園広場の造成と環境保全
山形県東根市 長瀞・二の堀を愛する会
 長瀞地区のシンボルで、東根市の歴史的遺産である「二の堀」を、まちづくりに生かそうと、平成12年11月、地域の青壮年を中心に「長瀞・二の堀を愛する会」が発足。
 同会は、二の堀を環境汚染から守り、町の象徴として将来へ継承することを基本理念にし、自分たちの住むまちは、自分たち皆で考え行動しようと訴えた。
 それから、行政・住民・企業が協力してまちづくりを実現する、グランドワーク方式でミニ公園「おらだな広場」を造成、二の堀の美化活動や環境保全活動に取り組んでいる。


「ミニ公園広場」実現への道

 同会は、地区内に公園や広場がなく、小さい子どもをもつ母親や子守をしている年寄りから、子どもを安心して遊ばせる場所が欲しいとの声に、二の堀周辺の環境を整備して、ミニ公園的な広場の造成を考えていた。
 一方、東根市の平成12年度新規施策に、行政と住民・企業・民間団体等と新たなパートナーシップを構築し、市民の東根に対する「愛着と誇り」を高めることにより、地域づくりに「自ら参加する意識」を醸成することを目的とした『輝き躍動するひがしね創造事業2000』が提唱されていた。
 同市の提唱事業は、同会が進めようとしていたグランドワーク手法による、ミニ公園整備計画の考えとマッチしていた。
 この、市の事業指定を受け、地域住民の要望でもある「ミニ公園整備」を、二の堀周辺の環境整備の一つとして実現しようと話しが進んだのである。
 それから、同会は企画・立案・調査・設計を実施し、地区の最高決議機関である「長瀞地区地域振興協議会」に諮り決定した。
 長瀞地区の大きな事業の一つとして市へ申請したところ、事業は指定されたのである。
 この、広場造成事業は、地域振興協議会を基盤に実行委員会を設け、地域を問わず事業に賛同する方々を募集し、住民手づくりの理念で実施することになった。


「おらだな広場」の完成

 広場は、次のような造成事業計画で実施することになった。面積700平方メートル。テーマは、水と緑と環境。コンセプトは、子どもたち(乳幼児)が憩える。遊びは子どもたちが自由に考えて遊べる。安全、安心、環境教育に資することができる。維持、管理が易しい、広場である。
 造成内容は、生け垣や芝生の埴栽(芝刈り機の購入も含む)、せせらぎの造成(近くの井戸を水源に)、ソーラーシステムによる照明灯の新設、3オン3バスケットコート新設、木橋・ベンチ・バーゴラの新設、公衆トイレ壁面色彩(地域環境に調和したデザイン)に配慮する等である。
 市の指定を受け、いよいよ作業の開始である。造園、水道、電気工事は、地元の業者に事業の理解と協力を願い、快く引き受けいただき、造成分野を話し合い作業に入った。
 住民ボランティアは、テストピース収集と埋め込み、芝生と生け垣の埴栽、木橋・ベンチ・バーゴラ作り。それに、ボランティアの募集や説明会も随時実施するなどである。
 芝生の埴栽を梅雨前の6月4日に実施することを目指し、テストピースの収集から始めた。試算では、3000個余りが必要で、地元だけでなく隣の村山市の生コン会社にもお願いし、日曜日毎に数百個づつ運搬したが、2000個程しか収集できず、遠く寒河江市の生コン会社の協力で、目標の3000個を収集することができた。
 盛土の終了した箇所から、テストピースを埋め込み、その後、地元長瀞小学校「緑の少年団5・6年生」の協力で、芝生・生け垣の一部埴栽を行った。
 芝の張り付けは、600平方メートルで、6月4日は雨天のため、6月18日に実施。当日は連日30度を超す暑さの中、朝晩散水作業に追われたが、ボラティアの努力で芝も息づいたのである。
 ベンチやバーゴラの木材は、村社の改築に伐採された松や桜の木を譲り受け、皮を剥ぎ乾燥しボランティアが手作りで設置した。公衆トイレの壁面色彩は、東北学芸工科大学・日原ゼミの協力で、歴史の重みを感じさせ、二の堀に配慮したデザインで、地域環境に調和したものが完成した。
 3オン3バスケットコート、ソーラーシステムによる照明灯など、一連の作業が終了した8月12日、東根市長をはじめ、関係者でテープカット、広場の完成を祝った。
 企画立案から10か月余り、殆どの日曜日はボランティア作業に徹し、2〜3人の時も30人以上の時もあったが、立派にでき上がった「広場」を見て、やればできると、全員自信と誇りに満ちた思いである。1人の力は小さいが、目的に向け皆で邁進すれば波は大きくなり、計り知れない成果となった。皆で造った「おらだな広場」の実現である。