「あしたのまち・くらしづくり2015」掲載 |
あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞 |
妊婦~未就園児親子の子育て支援活動 |
宮城県石巻市 特定非営利活動法人ベビースマイル石巻 |
震災後、妊婦・子育て中の母親(家族)にとって必要なことを当事者目線で、活動を通して社会に伝えたいと「ベビースマイル石巻」を立ち上げ、さらに地域に根差すために平成24年4月NPO法人化しました。妊婦~未就園児親子に特化し、妊娠期からの切れ目ない子育て支援をすることで、産後の孤立や虐待を未然に防ぐ活動をしています。 私たちは、大震災によって「いのち」の大切さを痛感しました。私たちは、「いのち」を産み増やし、育てる当事者として、地域が新しい「いのち」をみんなで大切に育てるまちにしたいと思っています。そして、地域を子どもいっぱいの、明るく、元気なまちへ。 子どもがすくすくと、愛情いっぱいに育つように、ママ(家族)が子どもを産み育てることに不安や孤立感なく、安心して子育てを楽しめるように、特に、マタニティ~未就園児親子の支援を、当事者性をもって活動しています。 復興へ向けて、被災地の子育て中の母親たちを中心とした活動に賛同・ご支援、アドバイスや協力・協働してくださる個人・行政・医療・企業・市民団体様々な分野の方とつながってまいりました。子どもを真ん中に、子育て当事者同士の「横」のつながり、地域との「縦」や「ななめ」や「立体」のつながりで作る、楽しく、“まあるい子育て”を実践しています。 これまでの成果(特筆すべきことのみ書きだしております) 2011.5 任意団体としてスタート。妊婦から未就園児親子の居場所づくり支援物資の受け入れ配布。 2011.12 「お産と子育てにつよいまちづくり」(ボンボンカフェプロジェクト)発足。多業種多世代で地域のお産と子育てを考えるゆるやかなネットワークを構築。 2012.3 震災文集発行「子どもたちへ~ママたちがいま、伝えたいこと~」 2012.4 NPO法人格取得 地域に根付く活動にするために・・・ 2012.8 子育て情報誌作成(No.1~No.4) 2012.11 子育てビックイベント「つながる子育て」~子育てママあつまれ~(ママシンポジウム) 2013.3 子育てリソースマップ発行(ボンボンカフェプロジェクト)200部作成母子手帳と同時交付中。 2013.4~ 妊婦・子育てコミュニティカフェの開催開始。 2013.5 東日本大震災復興支援事業リフレッシュママクラス開催。 2013.10 平成25年度健やか親子21全国大会「母子保健推進会議会長表彰」受賞。 2013.11 「石巻子どもの復興支援委員会」(発足5月)三陸河北新報社とともに。ピーター・マルコ氏を招き、絵画教室開催。 2013.11 東日本大震災復興支援事業リフレッシュママクラス開催(第2回)。立ち上げ~現在まで月10~15回の妊婦~未就園児親子へのイベントサロンを開催継続中。 2013.11 内閣府子ども若者育成・子育て支援功労者表彰<子育て部門>内閣総理大臣表彰受賞。 2013.12.1.2 いきいきママ講座(中央公民館共催) 2014.6 子育てビックイベント「ベビスマ子育てフェスタ2014」開催。 2014.10 シンポジウム「ママと赤ちゃんの復興まちづくりIN石巻」 2014.12 「やわらか抱っこ講座」石巻子どもセンター(子育て支援課)共催。 2015.2 マタニティ・子育てひろば「スマイル」プレオープン。 2015.3 遊びを通した子どもの育ちを考えよう~障害があってもなくても~(石巻市社会福祉協議会共催) 2015.3 お産と子育てリソースマップ完成。 2015.3 石巻子育てメール「スマイル」配信開始。 2015.4 地域子育て支援拠点事業を石巻市より受託。 2015.6 山下地区まちづくり協議会に「みんなで子育て部会」を設置。山下地区にて子育てサロンを開催。 【受託事業】 ① 地域子育て支援拠点事業(石巻市補助事業) (内容)乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行う事業。 ☆マタニティ・子育てひろば「スマイル」平日10時~15時開所。 ・0歳講座・マタニティサロン・お誕生日会・子育て相談日 など ・子育て支援者向けの講座 2015.4月~、市の委託事業となり、蛇田地区で拠点をもって活動しています。蛇田地区は、3000人が移り住んでくる復興住宅建設地域で、新たなまちづくりが必要な地域です。子どもの育ち、子育てを真ん中にしたまちづくりが実現されるよう、参画していきます。また、これまでの活動は出張型で、繋がりも点でのつながりでしたが拠点となり、「生活を支え、つないでいる」と感じています。4月~6月で新規登録者は110名です。0歳児講座は4回連続の講座で、この講座をきっかけに子育てサークルが五つ生まれ、支援しています。 【自主事業】 ①親子のイベント・サロン事業 ・親子ビクス・3B体操など「母親が主体となって企画する」イベント。イベントを行うことで、家から出る機会作りをしています。ニーズにそった企画を、当事者が主体となって行っています。 ②出張ひろば「ボンボンカフェ」毎週水曜10時~14時開所 イオン石巻店 赤ちゃんひろば すまいるひろば(東松島) ボンボンパーク 出張型で様々な場所で行うことで、広域な母子との出会いができ、交流を広げ促進しています。特にボンボンカフェは地域のコミュニティカフェとして活気のある場所となっており、また、縮小していく仮設の中でまだまだ残っている母子の拠り所ともなっています。 ③情報発信事業 ・リソースマップの発行 ・情報収集発信(ホームページの充実・ブログ・フェイスブック・一斉メール、ベビスマ通信) ・ラジオ石巻「ベビスマ情報局」 ・石巻子育てメール「スマイル」配信 情報提供を積極的に行うことで、地域への刺激にもなっています。ラジオなどは特に、子育て中の方以外の方の耳に届くことに意義があると思っております。 ④地域連携・協働事業(他団体や企業との連携、協働イベント) いしのまき子そだてフェスタ2015 6月7日遊学館(共催 石巻市 石巻社会福祉協議会) その他:たまひよ/マーブルタイム/子育てママいきいき講座/COOP「食にまつわる、い~話」 せんだい杜の子ども劇場「杜の子まつり」9月22日/千趣会「親子ヨガ教室」10月19日/子どもの権利条約フォーラム 11月/柳北区ママサロン 2か月に1回 特に子そだてフェスタは、今年は名称を「いしのまき」とすることで、地域の巻き込みを図りました。市や社協との共催により、市を上げてのイベントイメージが強くなりましたので、来年度はさらに地域の団体や企業の巻き込みを図る予定です。来場者数403組のファミリー、1356人(入場数)と、大盛況でした。 「妊婦・母子の防災プロジェクト」 震災からはじまった活動ですので、母子の防災に取り組んでいます。被災地であっても、すでに震災後に母親になった方々は、どのような備えが必要なのか分からない状況です。地域でしっかり伝えていく必要性を強く感じています。また、災害時の母子の視点についても行政での取り組みが不十分なため、「2014.10 シンポジウム ママと赤ちゃんの復興まちづくりIN石巻」を行うなどして安心安全な地域で子どもを産み育てられるよう、活動しています。 今年度、新たな動きをしているのが、まちづくりへの参画です。 拠点運営を始めて、さらに、「生活の身近な場所に居場所が必要」と感じました。小さくてもいいからたくさん、居場所があったら、もっと地域が活性化していくと感じました。 しかし、まちづくり協議会などの中に、子育ての視点が抜けていて、自治体としての子育て支援はまだまだ課題が多いです。緊急時には隣近所といった自治体でのつながりは大変重要ですので、子育ての部会をつくり、サロンの立ち上げを行い、地域の担い手探し、リーダー育てを始めています。 人がいて、まちができる。人づくりはまちづくり。子どもを産むということは、まちをつくる原点。地域を子どもいっぱいの、明るく、元気なまちへ。 |