「あしたのまち・くらしづくり2012」掲載
あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞

見守り活動と生活支援
神奈川県横浜市栄区 NPO法人お互いさまねっと公田町団地
地域の概要
 JR大船駅からバスで15分ほどの少し小高い丘に33棟・1160世帯が暮らす団地があります。その中心に位置する場所に、NPO法人お互いさまねっと公田町団地、多目的活動拠点「いこい」=地域交流の居場所があります。
 真暗なコンビニ跡店舗に灯りが点り住民が感動と安心を共有することになりました。
 平成22年3月26日「いこい」の開所式から2年4ヶ月、日々試行錯誤の積み重ね、1歩1歩ではあるが“お互いさまの想い”を大切に支え合う交流居場所として「いこい」は多くの地域住民の中に根付きつつあります。

活動母体の立上げ
 横浜市栄区孤独死予防モデル事業における地域に指定され、平成20年6月28日に団地住民への説明会を実施。「お互いさまねっと公田町」事務局体制を立上げ、住民ニーズの把握のための活動、タウンミューテング(8月)5回開催、9月には「お互いさまねっと」運営協力者研修会(お話し相手ボランテイア研修講座)は75名の参加者が有り、29名の協力者登録を得た。その中で課題の検討を繰り返し、店舗が消えて買物に困っている高齢者等の声に応える、買物支援のあり方を検討、10月7日地域住民による「あおぞら市」を空き店舗軒下でスタートさせた。
 同時に行政委託の社会福祉士による相談事業が開始(火曜日・土曜日)、平成21年10月~平成22年9月で終了。
 あおぞら市は単に生活用品の提供だけではなく、テーブル・椅子を整え、お茶を提供することにより地域住民の交流の場、安否確認の場所、買物支援が見守り活動そのものと確信、高齢者が安心して暮らせる地域づくりの第1歩を踏み出した。
 雨の日はテントを張り、交流・歓談の場所の確保など労力を惜しまぬスタッフの貢献であおぞら市を開催していく中で拠点の必要性を感じ、空き店舗の軒下はいささか惨めな感は拭えず都市再生機構の空き店舗を賃借するために「NPO法人お互いさまねっと公田町団地」の立上げを決意、平成21年9月14日成立し、平成22年3月24日、多目的活動拠点改修工事完成。
 3月26日お互いさまねっと「いこい」のオープンセレモニーの開催となる。

主な活動内容
 平成22年1月1日依託を受けた「横浜市一人暮らし世帯等安心生活支援モデル事業」
 2年目の活動は団地集会所から事務所を「いこい」移して、見守り・生活支援活動の機能を「安心センター」と位置づけスタート。
※ 委託事業は平成23年度で修了したが活動内容は変わることなく、当初の活動の目的である住民参加の助け合いの精神で高齢者等の孤立予防・孤立死予防を考慮した生活支援やお節介にならない気配りで困ったときは「お互いさま」の活動を今後も継続します。

①見守り支援員12名による見守り活動を展開
 一人暮らし世帯等の存在及び状況の変化とニーズの把握に努め65歳以上の独居世帯は平成24年6月406戸である。
 1週目の火曜日を支援員会議
 2週目の火曜日を桂台ケアプラザ(地域包括)、栄区役所高齢支援課と連携会議を実施、見守り情報を共有し把握した対象者の問題解決の検討を行なう。
 人による見守りの補完・支援として、UR都市機構が設置したセンサーによる見守りを運用請負事業として実施している。(設置住居400戸、選択利用で実稼働50%)
②買物支援においてはあおぞら市の継続、「いこい」サロンでの日常生活用品や地方の名産品、利用者の希望に応じた商品の販売、重い・大きい等で持ちかえりが困難な方へのお届けなど好評を得ている、あおぞら市の利用者は100名を超える。
③生活支援の位置付けで誰もが気楽に集えるサロンをオープン(日祭日休館)
 軽食の提供は、うどん・カレー・チャーハン等の300円、定食400円で1日30~40名が利用している。
④多目的フロアの活用はヨガ教室・親子で遊ぼう・介護予防などイベントで仲間づくりのお手伝い。

今日までの成果
 地域交流居場所「いこい」が出来たことにより、希薄になった人間関係がサロン(軽食・喫茶)や定期イベント、季節のイベント等触れ合う場の企画を通して少しずつではあるが顔見知り、お互いさまと支え合う仲間が増え地域の活性化につながっている。
 みんな!げんき!気軽に!ふれあう場所にしよう♪ スタッフの積極的な声かけ、挨拶が孤立・引きこもりがちの高齢者等の心を開き身近な相談窓口となっている。

 栄区区役所、桂台ケアプラザ(地域包括)、UR都市機構との連携をさらに深め、住民生活の緊急時の迅速な対応に心がけている、生活情報紙「お互いさま通信」は平成20年10月創刊から今日まで41号を発行し全戸に配布。地域住民に「お互いさまねっと」の活動、取り組みが浸透、理解されていると確信しています。
 「いこい」に常駐している日々、なにが起こってもおかしくない状況の中、スタッフの笑顔と絶えない笑い声が安心に生活できるまちづくりに一役担っている。