「あしたのまち・くらしづくり2010」掲載
あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞

おいしい田舎まっしぐら【食農まちづくり】
新潟県小千谷市 まっと活性化委員会
 「まっと活性化委員会」は真人地域の拠点施設、「真人温泉」の活用を主とした真人里地地域の活性化を目的に、平成19年3月に現真人温泉役員・現地域おこし団体のリーダー的人材等で構成された団体です。新潟県小千谷市は、平成16年の中越大震災で尊い命を失い、家屋や田畑も甚大な被害を受けました。ここ、真人地区も被害は大きく、過疎化や高齢化率の上昇に拍車がかかりました。そこで、震災からの復興と地域活性化を目的として、「まっと活性化委員会」を立ち上げたのです。
 真人には、前記の真人温泉と交流館、古民家を移築再生した「田舎っぺ」、そして宿泊のできる「割烹旅館まるいち」等たくさんの物的資源があります。また、真人地区は小千谷市内でも霧や朝モヤが多く立ち込め、野菜や米作りにも適していると言えます。まっと活性化委員会ではこのように豊富な資源を生かして、「食と農の真人まちづくり」をテーマに地域の活性化ができないかと考えています。
 19年度は、地域復興プラン作りのデザイン策定として、数回にわたりワークショップを開催。また、全国各地への視察を行ない先進地事例の勉強会も行ないました。平成20年3月には「中越大震災復興基金」を活用し、「食農まちづくりによる復興プラン書」を作成、その後4つの部会に分かれ、各部会で具体的に展開する施策について検討を行なってきました。


農産物ブランド化委員会

 真人産の農産物ブランド化を目指して、土壌調査を実施。新潟薬科大学の協力を得て、真人の地の農作物として、何が一番適しているのか、どんな野菜が美味しく作れるのかを学びました。その中で、真人は地形的にも気候的にも農作物の育成に適している、これをさらに進めるには、土作りが必要となるとの結果が出ました。
 この結果を踏まえて、我々は完熟堆肥作りに着手したのです。21年度は、堆肥ヤードを作り、約4トンの完熟堆肥を完成させ、手始めに町内への販売を開始しました。実際にこの堆肥を使った野菜は、甘味が強く美味しいとの高い評価を得ています。
 今後は、堆肥ヤードに屋根を敷設してより良い製品の製造と販売ルートの開拓を推進していきます。また、この堆肥を使った地元野菜の特産化にも取り組みたいと考えます。


農産物販売・PR部会

 市内、市外そして県外へ、震災で多くの支援を頂いた感謝の気持ちを表すとともに、真人地域のPRを農産物の販売を通して行なうことを目的として、設立しました。今までに市内でのイベントに参加や新潟市内の古町での販売会の参加、東京墨田区でのイベントに参加しています。基本的に売り上げの10~20パーセントを会に手数料として収めるなどして、継続性のある運営を目指しています。
 恒例直売会として地元でのお盆需要に向けた夏野菜の販売、初めての試みとして震災復興5周年イベントに合わせた、小千谷市内の総合体育館でのテント市にも出店しました。また、東京墨田区の商店街バザーにも2年連続で参加。米・野菜・特産真人豆腐等を販売し、品質と安さで評価を得て、毎回ほぼ完売という実績です。
 将来の計画としては、補助金等の金銭的支援なしでも、単独で利益を上げられるようなシステムを構築していきたいと考えています。


体験・交流部会

 真人に人を呼ぶための部会として設立されました。また、内部の交流や人材育成も目的としています。現在まで体験事業として手づくり味噌作りや茅刈り体験、交流事業として地元の歴史を探索するツアーや郷土料理堪能ツアーを行ないました。また、人材育成として、パソコン教室を開催。高齢者の参加も多く、これを機にパソコンを始めた人も生まれました。
手づくり味噌作り体験では、毎年定員10名に対して15名ほどの参加があり、その殆どがリピーターです。「昨年作って、味が良かったので又参加した」「やはり自分で作るので安心感がある」等の声が多く寄せ寄れました。
歴史探求ツアーでは、地元の北山にある直江兼継のゆかりの地を探索するツアーと善光寺街道散策ツアーを開催。市内外から合計で50名ほどの参加をいただきました。


田舎っぺの有効活用部会

 古民家を移築した、茅葺きの施設を活用するために立ち上げた部会で、他の部会と連携しながら事業を進めていきます。田舎っぺの維持管理や施設利用の推進として、茅葺きの補修、各種イベントでの利用促進等を行なってきました。
 特に施設の利用促進ではまっと活性化委員会の体験・交流部会と連携して、味噌作り体験の会場やウオーキングツアーの昼食会場として活用しました。このような時には、真人のほかの団体の協力を得て、昼食の田舎料理を準備してもらっています。
 現在は、女性部がこの施設を利用して「農家レストラン」開店させたいと、勉強会や各地への視察を行なっています。


その他

 まっと活性化委員会ではその他の活動として、ホームページを開設し日々ブログの更新を行ない、情報の発信を行なっています。
ホームページアドレス http://www.matto.jp/