「あしたのまち・くらしづくり2009」掲載
あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞

福祉通じて町づくり「いつでもどこでも子育て支援」
大分県別府市 NPO法人わらべ
NPO法人設立の目的

 地域の人々に対し、児童、乳幼児、障害児の健全育成に関する事業、高齢者に対する福祉、家庭や地域での環境づくり、まちづくりの支援や、子どもたちの情操を育むと共に福祉を通して地域の人々が豊かにのびのびと生活できるまちづくりに寄与することを目的としています。次に揚げる種類の特定非営利活動を行なっています。①保健、医療又は福祉の増進を図る活動、②まちづくりの推進を図る活動、③子どもの健全育成を図る活動を行なっている。


設立の経緯

 昭和54年に子どもを生み育てることのできる環境づくりのため、扇山のふもとのやまなみ団地内に保育園(現在定員75名)を開設する。平成元年から子どもたちと共に近くの老人施設(一燈園)や老人クラブに慰問にでかけるようになり、子どもたちはからのダンスや歌、手作りのプレゼントは施設利用者にとても喜ばれている。平成12年4月大平山小学校区の子どもたちを対象に放課後児童クラブを開設し(現在定員60名)園や学校、地域、職場など社会全体で子育て家庭を支え「子どもたちの心を育てる」ことに取り組んでいる。保育園や児童クラブでは、お年寄りとの触れ合い運動会や慰問活動などは、今年で21年目となる。また、子どもたちが生き生きと活動し、のびのびと育めるよう、他の保育園の園長先生と共に遊びの研究などを目的とした『ちびっこの会』を結成し、人形劇や子どもたちのための各種イベントの開催や緑化運動、町づくりの推進事業などの活動を展開してきました。これらの活動のネットワーク形成し、活動の輪を広げることで、豊かで明るい社会の実現に寄与していきたいと思いでNPO法人を設立しました。


主な活動実績

高齢者との地域交流事業
・老人施設の慰問活動や一緒にする運動会は21年目となり、年間(4~8施設)に上る。子どもたちとの触れ合いや会員の心のこもった素人芸を歓迎して迎えてくれ、喜んでいただいている。
・保育園や児童クラブの施設を利用した地域交流活動
 毎月、第3木曜日の10時~12時30分まで間、園児とこいのぼりや七夕飾りや地域交流お料理保育(カレー・ポテトサラダづくり)、おやつづくりやクリスマス会などを行なっている。

別府フラワーロードegaoねっと
 こども花いっぱい運動:私たちの住んでいる町が誇れるような美しい景観や、調和のとれた花の町づくりを進め、憩いの空間として活用するために、平成15年より子どもたちや保育士、地域の方々と一緒に、別府八湯の温泉場入り口(12箇所)に設置しているフラワープランターの保守活動や地域との花による交流が評価され、(社)日本観光協会主催の花の観光地づくり大賞で花の触れ合い賞を受賞する。また、平成20年に行なわれた国体では、パブリック的な植栽活動のアピール、イベントの開催や、国体参加者や市民に憩いと空間を生むもの(花とエコノロジー)を提供する活動として泉都ツーリズム支援事業にも選定され、親子ガーデニング講習会並びにガーデニングコンテストを開催し、町なみに配慮した、花の配置や地域の特性を生かした子どもたちにもできる花いっぱい運動を展開している。この活動では、子どもたちの絵をラミネートしフラワーポットに飾ったりしています。20年度の事業では、県道植栽ボランティアや日本風景街道「九州横断の道やまなみハイウェイ」の指定を受け、国際観光港を基点としたやまなみハイウェイ(自衛隊下パーキングエリヤ・別府インターチェンジ入り口など)や別府市民球場、国際観光港入り口のフラワーポット設置などの植栽活動を行なっている。

だれでもどこでも子育て支援
 町の匠(リーダー・一芸に長けている・子どもたちに自慢できる物)による講座を親子や地域の高齢者を対象に行なった。竹工芸の実演・別府湾で採取したガラスを細工したペンダントづくりやクリスマスツリー作り、琴やバイオリンや手品の授業など公民館などを地域の交流拠点として、親子や高齢者との次世代交流を行って地域づくりを進める活動はシニアや高齢者の知識と経験が、触れ合い交流を通じて役立ち生きがいを与え、子どもたちに「感性」や「優しさ」を育むことができた。

ぼくらは町なみ探検隊
 私たちの住んでいる町を親子で参加できる気軽な町の探索を他のNPOやボランティア団体と協力し、名所、旧跡、昔から伝わる話をボランティアガイドの案内で実際にウォーキングした中から、子どもたちの目を通した住みよい町や歴史文化を考えるワーク形式で体験した活動や感じたことを模造紙に描く・写真に撮る・紙芝居を作るなどの活動を行なった。歴史や文化の伝承は次世代育成には不可欠であり、地域高齢者の触れ合い活動という観点からもこの活動は大いに成果があった。参加した子どもたちも出来上がった作品に満足げで、長いプログラムにも興味を集中できようだった。地域の歴史や文化を体験することで、地域の特性を理解し、歴史、文化に接する機会になり、自慢できる町や住みよい町づくりとして、子どもたちから見た町を考察する機会となった。町なみを親子で歩くことが少なくなったが、足を止めて見たり説明を聞いたり、することで、新たな発見ができた。

別府湾周遊ゆうぐれ散歩プラスワン
 大型フェリーの寄港便を利用して海から見た町や水没した島の伝説や西大分の港のガイドやフェリー内部の紹介、港の歴史や海辺で遊ぶすばらしさを親子で触れ合うことで子育て支援を行なうとともに港のみらいの環境作りを行なった。(2年で1500名参加)別府泉都ツーリズム支援事業(最優秀賞受賞)
・海辺の学級
 上人が浜海岸においてタイトプールの観察し、海辺の生物を知る教室。
・ものづくり学級
 親子で風車や風鈴をつくり、海の潮風を感じ、自然環境を考える教室
・別府湾クルーズ学級
 大型フェリーに乗船し別府湾の歴史や船の仕組みなどを専門のアドバイザーによる指導で勉強する。
・大分港みらいワーク学級
 西大分の歴史や文化、別府港みらいの姿をアドバイザーとともに勉強する。また、当日の活動をワークショップ形式でまとめる。
 別府港や大分港の歴史も古く久光島や瓜生島の伝説も紹介した。もっと自分たちの住んでいる海を知り、その海辺を身近なものとし、親子で楽しむこの活動は、幼稚園や保育園、老人施設、障害者施設の利用があり、夏休みや別府温泉祭り、県農業祭などでは多くの親子連れで賑った。

ほーっとほっと人権出前ミニシアター(心を温かく)幼児の人権
・テーマはすてきな笑顔、明るく元気、たった一つの命を大切に、親切な心、みんな良いところを持っている、つながり合い、一人一人の個性を大切になど。
・保育士や会員により創作人形劇、ペープサート、エプロンシアターやミニシアターなどの幼児などにも親しみ易い内容で、学習を通して、高齢者に対する差別や偏見の問題にも気づくとともに、高齢者をいたわる気持ちを養う。
・保護者の参加する講座の場合は、話の内容を「家庭」などに置き、親子で考える講座になるよう工夫して行なっている。
・平成18年19年は県の委託を受け、佐伯市、豊後高田市の教育委員会と共同で行ない、20年度は豊後高田市の単独事業で21年度は別府市の教育委員会と保育所、幼稚園、児童館にて、子どもや高齢者の人権について考える出前人権ミニシアターを行ない、家庭・学校・地域社会と、互いに連携を図りながら創っていく活動を行なっている。
①幼児や児童と積極的に関わりを持ち、「共に生きる」こと対するに学び合える場となった。また、命をいつくしみ、尊ぶ心を育て伸ばすことの大切さを共に学ぶ場とすることができた。
②子ども同士の思いやり、優しさを育む。
③家族の協力、思い合い。言葉の大切さや友だちの存在に気付く場とすることができた。
④視聴覚障がい者(児)への優しさ、みんなと遊ぶなどをテーマに、パネルシアター「おばあちゃんからのおくりもの」では、みなさんはお年寄りの姿を見て何を感じますか? どうすればもっと幸せになれるのかなどを、みんなで一緒に考えていった。手作りの人形劇などは、教育現場や子どもたちにとても人気があった。(3年間で21施設1121名の子どもたち、先生、保護者に見ていただいた。)

次世代を担う子どもの育成のための水辺の楽校
 地域で環境問題に取り組む人材の育成と「こどもエコクラブ」の交流を通して、エコクラブへの加入団体の増加を図ることやエコロジーな次世代を育む環境教育(共育)、環境学習からエコ活動への意欲と態度を形成する。活動を通して自主性、社会性、創造性を養うことや自然環境を考察する力を育むことを目的にしています。また、「次代を担うエコキッズやサポーターの育成事業」として、実際に生息する生き物について認識を広め、自然の大切さを理解してもらう体験型プログラムを設定し環境を大切にした町づくりを進める。
・自然観察会、ごみ拾いを実施
 エコクラブの子どもたちやサポーターと水辺の環境を考えるための自然観察会の実施する
実施場所
 上人が浜海岸(タイトプールの生物)、境川河川敷での川辺の植物
内 容
 環境アドバイザーの説明を聞き、子どもたちが採取した物は写真に取り、名前などを調べる。
①植物はパウチにし、壁新聞にする。
②タイトプールの生物は写真を撮り、海に戻す
③オリジナルな下敷きを作成する
・環境教育リーダー養成講座の開催
 ワークショッププログラムの企画と実施し「環境教育リーダー養成講座」エコシティーに向けた、次代を担うエコキッズやサポーターを育成する。
実施場所
 婦人会館・みどりの相談所など
内 容
 「境川や上人が浜海岸の今と昔」の講話や河川敷を歩き何に興味を持ったかなど、教材や資料を使ったワークショップ
講 師
 県環境アドバイザー
・河川敷での凧揚げ会、ごみ拾い開催
 川に興味や関心を深める目的で行なう。