「あしたのまち・くらしづくり2007」掲載
<企業の地域社会貢献活動部門>あしたのまち・くらしづくり活動賞 主催者賞

職員が地域で貢献する「ヒューマニー活動」
東京都中央区 住友生命保険相互会社
住友生命のヒューマニー活動とは

 住友生命保険相互会社(以下、住友生命とする)では、「地域社会と調和する企業」を目指し、平成4年度から全国にある支社を拠点とし、職員が自ら汗を流すというコンセプトのもと、ヒューマニー活動を行なっています。
 「ヒューマニー」には、「人間的で温かみにあふれ(Human)社会との調和を図る(Harmony)企業でありたい」との気持ちがこめられています。
 住友生命では、ヒューマニー活動を通して、職員一人ひとりが、地域社会に貢献する企業の企業人としての意識を持ち、全国で年間を通して活動しています。


住友生命の社会貢献活動の歩み

 住友生命では、昭和27年に制定した社訓「経営の要旨」に「社会公共の福祉に貢献する」ことを謳い、今まで、福祉や芸術文化など様々な社会貢献活動を行なってきました。
 平成元年度からは、より一層、地域社会に貢献することを目指し、全国各地で「地域還元活動」を実施してきました。
 さらに平成4年度からは、活動の輪を広げ、職員が進んで汗を流す「スミセイ・ヒューマニー活動」を実施し、福祉施設の介護支援やチャリティーバザーなど、多彩な地域に根づいた活動を展開してきました。
 住友生命のヒューマニー活動は、豊かで明るい長寿社会の実現を目指し、①健康な暮らしを支える地域福祉への取り組み、②地球環境の維持・保全への取り組みを柱として、活動を行なってきました。


全国での活動内容

 住友生命のヒューマニー活動は、年々、地域での認知度も高まり、平成18年度には、全国で194もの活動を実施し、職員を中心に延べ約3万1000人が参加しました。
 平成4年度から15年間継続している活動には、使用済み切手の収集や地域の清掃活動、福祉施設での介護支援やチャリティーバザーの開催等があります。
 こうした取り組みのみならず、各支社の地域に根づいた独自の取り組みを多く実施しています。
 主な活動を、以下に紹介します。
①健康な暮らしを支える地域福祉への取り組み
○使用済み切手の回収・寄贈によるアジアの医療環境支援
 住友生命では、使用済み切手を回収するボックスを、各支社や本社に設置し、日々の業務のなかですぐにできる身近な活動として、切手回収を、平成4年度から続けています。
 平成18年度は約184万枚の使用済み切手を集め、福祉団体に寄贈し、アジアの医療に恵まれない地域に、医療従事者を派遣する活動等を支援してきています。
○あしながPウォークヘの参加
 住友生命では、あしなが育英会が、毎年全国で実施している「あしながPウォーク」に、数多くの職員が参加し、事故や天災で親を亡くした世界の子どもたちを支援しています。
 職員は、「あしながPウォーク」への参加を通して、社会のなかで果たす役割として、次世代の育成があることを、身をもって知り、社会に伝える活動となっています。
 この活動は、職員が、世界の子どもたちを取り巻く社会情勢や生活環境を知り、職員一同が、視点を世界へと広げる良い機会となっています。
 また、神戸支社では、Pウォークに合わせて、チャリティーバザーを開催し、約50万円の売上金を、「あしなが育英会」に全額寄付しました。遺児の進学に役立つことが出来たことを、バザーに参加くださった地域の方々とともに喜ぶことができました。
○チャリティーカレンダーによる車椅子寄贈
 熊本支社では、熊本の美しい景観を再発見する「熊本365景カレンダー」を作成・販売し、売上の一部を使い、熊本県社会福祉事業団に車椅子を寄贈しています。
 平成17年度は3台、平成18年度は2台を寄贈するなど、この活動を6年間継続しており、地域の方々から大変喜ばれています。
 同様の活動は、京都支社でも実施しており、(財)関西盲導犬協会に、平成18年度には15万円を寄贈し、盲導犬の育成に活用していただいています。この活動は、4年間継続しており、カレンダーを購入してくださったお客様にも大変喜ばれています。
 こうしたチャリティーカレンダーの作成による社会貢献は、栃木、熊本、沖縄など他の支社にも広がっており、地元の福祉環境の改善に役立っています。
○チャリティーバザーによる福祉施設の支援
 住友生命では、チャリティーバザーを本社や支社で独自に開催しています。職員が自宅から品物を持ち寄り、地域の方々に参加頂き、その収益を全額、地域の福祉施設に寄贈しています。バザー活動を通じて知り合った施設の方々とは、関係が発展し、夏祭り等の施設行事への参加につながっています。
②次世代に引き継ぐ地域環境の維持・保全への取り組み
○本社周辺の清掃活動
 住友生命では、東京および大阪本社で、毎月、清掃活動を実施しています。東京都中央区にある東京本社では、築地市場周辺から社屋近くの公園を含めた一帯で、清掃を行なっています。職員一同、地域に少しでも貢献できることを誇りに思っています。
○各地域での清掃美化運動
 住友生命では、5月のごみゼロの日、6月の環境の日を中心に、全国で清掃美化活動を実施しています。平成18年度には、公園やまちかど、海岸などで27の活動を実施しました。
☆全国の海岸での清掃活動
 浜松支社では、5月に浜松市で主催する『ウェルカメクリーン作戦』に参加し、アカウミガメが来る遠州灘海岸において、清掃活動を実施しました。
 また、福岡支社と連携各社では、6月に、『ラブアース・クリーンアップ2006』に参加し、海の中道海浜公園において、150名で850袋ものゴミを収集しました。
 各地域の海岸での清掃活動は、住友生命が職員の機動力を活かせる活動として、積極的に実施している活動のひとつです。
○全国での緑化推進活動
 住友生命では、全国にある支社で、地域独自の緑化活動等を積極的に実施しています。
☆隅田川テラスの「グリーンアッププロジェクト」
 東京本社近くには、隅田川が流れていますが、コンクリート擁壁の灰色の壁に覆われた隅田川の緑化活動に取り組んでいます。
 住友生命では、3年前から地元行政と地域の企業と協力し、毎年、河川擁壁の壁面緑化、花壇緑化に取り組んでいます。職員は、地域の人々とともに気持ちよく過ごせる環境づくりに役立てることに、大きな喜びを感じています。
☆北見支社の「桜並木づくりプロジェクト」
 北見支社は、昭和59年、地域貢献・緑化運動の一環として、桜を北見市小町川(北進橋周辺)の両岸に約200本の桜を植樹しました。
 毎年、北見支社では、この桜並木の草刈や清掃活動を地元の方とともに行なっており、美しい街並みをつくる活動のひとつとして地域の方々に大変感謝されています。
☆ニッコウキスゲの補植活動
 栃木支社では、平成元年から、天然記念物であるニッコウキスゲの補植活動を続けています。ニッコウキスゲは、個体数の減少が危惧されているため、10月に職員66名が参加し、ボランティアや住民の方々とともに、日光霜降高原で補植活動を行ないました。


今後の展開

 住友生命は、平成18年度にCSRの一環として、「スミセイ環境方針」を制定しました。
 住友生命の事業の公共性、規模、社会への影響を踏まえ、地球環境保護への取り組みは、重要な経営課題の一つと認識しています。従来の地球環境に対する取り組みもCSRの視点で整理し、さらに全社的規模で、持続可能な地球環境保護の取り組みを推進します。
 住友生命は、平成19年度に創業100周年を迎え、記念事業のひとつとして「環境」をテーマにしたヒューマニー活動「“スミセイきれいな地球を守り隊”運動」を進めています。
 次の100年へ向け、従来のヒューマニー活動から、さらに一歩進めて「きれいな地球を守る」ための取り組みを全国各地で、精力的に実施していきます。
 森の衰退を食い止めるための森林での間伐や、水を守る海岸・河川清掃活動を全国で行ない、職員が家族とともに活動することで、次世代の子どもたちに対しても、環境の大切さをメッセージとして伝えていきます。
 住友生命のヒューマニー活動は、職員が地域の方々とともに行なう活動であり、地域社会が望む方向性を踏まえて、各支社が、独自に考え、行動する、自主的な取り組みです。こうした活動は、15年間の実績を踏まえ、さらに進化していきます。
 今後、住友生命は、地域とともに歩む企業として、地域のNPOや行政との連携を強化し、深刻化する環境問題に全力で取り組むことで、安心して住める社会環境づくりに、貢献していきます。