「あしたのまち・くらしづくり2006」掲載
<企業の地域社会貢献活動部門>あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞

協働による環境保全活動の推進・啓蒙と地域活性化の推進
群馬県前橋市 サンデンファシリティ株式会社

 今回の募集には、サンデングループの活動を主にサンデンフォレストの自然環境活動及び保全、地域社会との協働を担当するサンデンファシリティ㈱名で応募いたします。ご承知おきください。


小中学校の総合的な学習(環境)の場提供と環境教育の推進啓蒙

 2002年のサンデンフォレスト・赤城事業所開設にともない、近自然工法で開発した他に類を見ない自然環境資源を活用し、環境教育の推進に寄与することを目的に活動を開始した。
 最初に手がけたことは、群馬県教育委員会主催の長期社会研修教員の受け入れを開始し、当社スタッフと協業で「自然体験学習プログラム」の策定であった。このプログラムは、サンデンフォレストで実施できる自然体験活動を①自然散策プログラム②自然体験プログラム③創作活動プログラム④観察学習プログラム⑤総合学習プログラムの五つのプログラムに分類してまとめた小中学校教員用のマニュアルである。
 このプログラムの活用と工場見学、自然環境見学を組み合わせた総合的な学習の受け入れ件数と人数は年々増加し、3年間の累計で約8200名となった。
 また、育成会や環境NPO団体などを含めると創設以来の来訪者は、2万名を超えた。取引先等を含めたすべての来訪者は2005年度には1万名を超えたが、地域を含めた環境関係の見学・教育での来訪が約90%と大きな割合を占め、当初の目的である環境教育への場の提供と環境教育推進・啓蒙に寄与できたものと考えている。


環境をキーワードにした協働による赤城山地域の活性化

 当初より参加した近隣の観光施設、国・県の施設、観光業者などを幅広く集めた「赤城七六会」は、2005年「特定非営利活動法人赤城げんき会議」に発展し、桐生~柏崎(新潟県)を結ぶ「R353の集い」による地域連携、地域の結束と物産の発掘(じり焼きを名産として展開中)と紹介を目的とした「なんろくフェア」を開催し、国交省関連のNPO地域交流センターの支持も得て、昨年は同センター実施の「海・山こども交流」も受け入れ実施した。(サンデンフォレスト・赤城青年の家他で実施、対応は当社をはじめとする会員)
 一方、中間支援組織「市民立NPOカレッジ」と弊社が中心となり市民・教育・企業・行政を巻き込んで活動したクリーン・グリーン・エコの活動では、4回に渡るサンデンフォレストにおけるクリーン・グリーン・エコの集い(環境団体の紹介、場内で実施するエコツアー、地元フォークデュオによる環境ソングの作詞作曲と披露など)を実施、地元の市民、地方行政関係者はもとより首都圏の環境活動リーダー、省庁関係者、議員の方々までも参加をいただいた。(勤労者マルチライフ支援事業、産業支援型NPO育成事業)
 また、昨年度はサンデンの創業来の製品である自転車用発電ランプ(発電ランプおよびプロペラ部材、マニュアルを無償提供)を活用した風力発電コンテストを実施、サンデングループ社員、工業高校生徒、他企業・施設、一般の多くの参加者を集め環境教育・啓蒙への寄与を大きく評価された。(地域調整費補助金事業)
 もう一つのイベントとして、会員や地域の課題の共有化と講師を招いての教育・啓蒙を目的にセミナー・シンポジウムを開催した。
2003年「協働が創りだす経済(雇用)・地域の活力」:出納長・連合会長・弊社会長がパネルディスカッション
2004年「赤城山の新生から地域社会の創造を」:バイオマス研究会、自然体験学習、ヒメギフチョウ保護、粕川流域ネットなどの活動報告(講師・椎名誠)
2005年「地球に優しい企業活動発表会」:埼玉県を含む多くの企業が参加(環境技術など発表)、「環境と経済の好循環に向けて」:地域の関係者と講師、環境省谷課長の講演とパネルディスカッション
2006年「エコから始めるまちづくり」葛巻町長、前橋市長、崎田裕子氏による講演とパネルディスカッション
 2005年度の大きな成果は、環境による地域振興先進地葛巻町の中村町長の講演と質疑による実例紹介による現実味のある啓蒙ができたことと群馬大学社会情報学部との協働で地域調整費補助金事業(群馬県中部県民局)として赤城山南麓地域の自然・観光・施設・課題を紹介するHPの前段階としてのCDの完成がある。このCDはイベントや会議を通してプレゼンテーションし、行政や地域にも配布してよい評価が得られた。今年度も継続事業として、さらなるバージョンアップとWEBでの公開を予定している。
 このような活動を通じて、サンデンフォレストの自然環境としては2003年の「緑化センター会長賞」、2005年の「関東経済産業局長賞」を受賞した。企業の社会貢献活動としては、2005年には勤労者マルチライフ支援事業の実施と行政・NPOとの協働による幅広い活動が評価され「ワンモアライフボランティア賞」を受賞した。その他の社会的な評価としては、2002年モーニングスター社の社会的責任投資株価指数銘柄に選定、2005年に群馬県から森林環境教育優良事例に推挙され林野庁への報告書を提出、2006年には週間東洋経済CSRランキングで50位と評価された。
 また、2003年より毎年市民立NPOカレッジの委託訓練「介護福祉サービス科」(雇用能力開発機構)、「NPOコミュニティビジネス科」(職業能力開発課)の講師を受託、2005年には「全国NPOフォーラム2005」で「企業との協働分科会」で協働による社会貢献の事例発表、「第1回まえばし水と緑の環境賞]の企業からの唯一の審査委員を仰せつかるなど社外での活動の認知度も大きく高まった。


特定非営利活動法人あかぎくらぶについて

 協働の推進と環境教育実践の母体として、他に類例のない企業がつくるNPOとして2003年に設立した。NPOとしての活動の幅を生かして、省庁関連NPOや関東・全国的なつながりが得られ関東全域の行事に参加した。また、自主事業として地域や社員の子どもを対象に「フォレストキッズ」と題して子どもの環境活動を5~6回/年のシリーズで実施し、参加した親子から評価されている。その他にも日本野鳥の会群馬支部との協働によるサンデンフォレストでの野鳥探索会の実施、群馬星の会との協働による観望会の実施で地域の親子が多数参加し大変喜ばれている。

 最後に、私どもの活動は弊社単独でできたことではなく、あくまでも“協働”の成果といえる。改めて産・官・学・民に及ぶ協働の力の大きさに驚かされると同時に今後も社会・地域と歩みを一つに社会貢献活動を推進したい。